今のコンサル業界にもそういった人は当然いると思われるが、そんなギラギラしたモチベーションよりも、キャリアを長い目で見たときに最初に入る職場として「安パイ」なのがコンサル、という捉え方がされているように思える。

 終身雇用が一般的な時代であれば日系の大企業に入社するのがキャリアを安定させるうえでのベストの進路だったが、今は「スキルが身につく職場」こそが最も手堅い選択肢なのである。

様々な仕事にチャレンジできる
スキルを高めながら“キャリア模索”も?

 ここで1つ異なる視点を提示しておきたい。コンサル人気の秘密は、時代の流れとして「安定のための成長」が手に入る場として選ばれているだけではなく、むしろ時代の流れに抗うための側面もあるのではないかという考え方である。

 より具体的に言うと、「やりたいこと」を強要される時代へのカウンターとしてコンサル業界が機能しているのではないかという仮説だ。

 コンサルファームの仕事はクライアントワークが基本であり、アサインされるプロジェクトによって業務の内容が変わってくる。言い換えると、「コンサルの仕事」というゆるやかな範疇の中で、様々な仕事にチャレンジできるということでもある。

 つまり、一度コンサルになってしまえば、日々の仕事を通じてスキルを高めながらこの先のキャリアの糧になり得る領域を探すことが可能になる。

 もちろん社内で明確にやりたいことを提示できる人が自分のキャリアを築きやすいことは言うまでもないが、最初からはっきりとした希望がなかったとしても、アサインされるプロジェクトで着実に結果を出し続けることで活躍の場が広がるのがコンサルファームの基本的な構造である。

 多くのコンサルファームは、新卒であってもその採用プロセスにおいて「地頭」と呼ばれる論理的な思考力や物事を考える際の視点の鋭さを重視している。

 「ガクチカ」という言葉もすっかり定着した感があるが、学生時代にサークルの副代表をやっていたと捏造することも、興味のない企業のホームページを読み込んで心にもない「入社したらやりたいこと」を練り込むことも、コンサルファームは基本的には求めない。