「MECEかどうか」は
ファクト整理で特に重視される
社員の論理的な思考プロセスを徹底的に磨いたうえでプロジェクト単位での仕事を行うコンサルファームには、業界特有の文化や言葉遣いがある。ロジカルシンキングを叩き込まれる過程で特に重視されるのが「MECEかどうか」。
Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字をとった言葉で、読み方は「ミーシー」。「漏れなくだぶりなく」と説明されることが多い。ファクトを整理するうえで、この考え方はことさらに大事にされる。扱う事象を網羅的に捉えていなければ、解決策を出すときにも重要な切り口を漏らしてしまうかもしれない。
また、これについて考えるうえで、同じレベルのものを揃えて整理しているか(コンサル風に言うと「構造化されているか」)もチェックされるポイントとなる。
単純化して言えば、人の集団を分類するときに「男性・女性・20代」と分けるのは不適当で、まずは性別で分けたうえで男女それぞれを年代で分けるのが望ましいという話である。このような整理に際してはロジックツリーやマトリクス型の表が使われることも多い。
分類の仕方にこだわりを持つことを求められるコンサル業界は、コミュニケーションスタイルについても独特の特徴がある。
特に叩き込まれるのは「結論から話せ」。「結論は○○です、なぜなら……」という話し方こそが正義で、時間を有効に使うためにはこの構文以外は認められない(と言い切っても過言ではなさそうなくらい、このスタイルが一般化している)。同様に、何かを説明する際には冒頭で「3つあります」などとトピックの数を宣言することも好まれる。
コンサルファームが顧客として向き合うクライアントの経営層は、日々様々なテーマについて考えている。その状況において自分たちが手がけたプロジェクトの内容を短時間でわかりやすく、かつ印象深く伝えるためには、最初に「3つあります」と言うことで先方の頭の中に枠を作り、その枠に沿ってコンパクトな結論を流し込むのが効率的な説明の流れとなる。
そのようなコミュニケーションを実現するためには、この行動様式についてのファーム全体での日ごろからの鍛錬、所属するコンサルタントの底上げが必要になる。







