実際に、私自身が上司と部下が会話をするという会話のVTRを作成し、それを第三者に見てもらい、どのような評価をするのか実験を行いました。部下が上司と話をする際に、下記の3つのVTRをつくり、第三者に10段階で評価してもらいました。

(1)すべてタメ口で話すパターン
(2)すべて敬語で話すパターン
(3)一部タメ口で話すパターン

 その結果、もっとも親しみをもったと答えたケースが、(3)の一部をタメ口で話すVTRでした。第三者の評価は、(3)が59.5パーセント、(2)が40.5パーセント、(1)にいたっては0パーセント、じつに約6割が(3)のケースを評価したことになります。

本音のように聞こえるタメ口は
上司との距離を縮めるのに最適

(3)のVTRを見た第三者の声としては、「自分の感想部分は敬語を使わずに、自分の言葉で表現して伝えているので本音に聞こえる」という意見も多くみられました。

(3)のケースでは、部下が「かっこいい!」「センスがいい!」「うれしい!」という具合に、自分の感情や(間投詞的な)感想などを口にするときだけ、タメ口を使うように作成しました。

 本来であれば、「~ですね」や「~と思います」といった言葉遣いになりそうなところを、あえてタメ口のニュアンスに変えるコード・スイッチングを行ったのです。

 タメ口のような飾らない言葉は、相手にとっても、そしてまわりにいる人に対しても距離感を縮めるのに有効です。目上の人や好意を寄せている人と距離感を縮めたいときは、自分の感情や感想はタメ口で伝えてみること。

 逆に、「あなたに興味がない」と伝えたいときは、敬語を含めた堅い言葉で伝える。コードをスイッチングすることで、他者との距離感をコントロールすることができるのです。