チームのメンバーや部下とのコミュニケーションを円滑にするにはどうしたらいいのか。2万人をみてきたコンサルタント・勅使川原真衣氏は、その方策を著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』で示す。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛する同書から、内容を抜粋・再構成し特別公開する。

組織の違和感Photo: Adobe Stock

 日本の企業では、コミュニケーションが滑らかな、言語優位な人たちが出世していくケースがよくあります。

 そんな人たちは職場で「仕事ができる」と見なされ、リーダー職に就いていることが少なくありません。

 しかし私は、世の中が言語優位な人に寄りすぎていないか、と思うことがあります。

 即時的に自分の思いを言語化し、端的に伝える。それが、社会人が身につけるべき「必須能力」のように思われていないでしょうか。

 いわゆる、「コミュ力(コミュニケーション能力)」というやつです。

口に出すタイミングが違うだけ

 でも、世の中それができる人ばかりではありません。咄嗟に言葉が出てこなくても、深く考えている人はいます。

 では、そのような人は能力が「劣っている」のでしょうか?

 もちろん、そんなことはありません。

 コミュニケーション優位な人たちは、ただ思ったことを口に出すまでのスピードが速い人たちというだけです。

 思いついたら当たって砕けろで、とりあえず口に出してしまう。だから、言うことがコロコロ変わったり、言ったことを忘れてしまったりします。

 一方、シャイな人たちは、思ったことを口に出すまでに時間がかかります。

 何か思いついてもいったん躊躇して、それは本当に正しいのか、今話すべきことなのか、違った見方はできないか、自分の中で揉んでいるわけです。

 それは能力の優劣ではなく、機能・持ち味の違いにすぎません。そのことを部下を持つ人は特によく理解するべきでしょう。

「コミュ力が高い」からこそできること

 それに今の時代、コミュニケーションの手段はいろいろあります。

 即時的な対面コミュニケーションが苦手なら、メールでも、チャットでも、日報でも、何でもいいではありませんか。

 自分は「コミュ力」があると自負している人こそ、相手に合わせたコミュニケーション手段を選ぶようにしてください。それによって助かる人がたくさんいます。

 ぜひ、その力を職場の環境調整に役立てていただきたいのです。