発想を逆転し、「苦手は仲間の出番、得意は自分の武器」と捉えた方が、チーム全体のパフォーマンスは、はるかに高まるのです。

個性のバラバラな3人が
衝突し仕事がまわらない…

 ある実習先に、3人の就労移行支援事業所の利用者さんが派遣されました。

 ひとり目は、渡辺コウタさん(30代男性)。彼はスイッチがなかなか入らない完璧主義タイプ。

 2人目は高橋サクラさん(20代女性)。仕事はキッチリこなすけれど、周囲が見えていない猪突猛進タイプ。

 3人目は斎藤ケンさん(20代男性)。仕事は早いが、思い通りにいかないとイライラしてしまうタイプ。

 この3人に任されたのは、介護施設の清掃業務。

 手分けしてバラバラの箇所を掃除していました。

 コウタさんは、最初の箇所を徹底的に掃除していましたが、時間内にひとつのトイレしか掃除ができず、サクラさん、ケンさんの負担が増えてしまいました。

 ケンさんは、次第に不満を口にするようになりました。

「コウタさん、もう少し真面目に仕事してくれよ」

 またサクラさんには、「トイレの使用中でも、おかまいなしに掃除に入るので、気まずい」とクレームが入ってしまいました。

 さまざまなことが重なり、3人の関係性はドンドンと悪くなり、昼の休憩中もほとんど会話がなくなってしまいました。

 こんなとき、あなただったら、3人にどのように声をかけますか?

得意不得意を話し合えば
お互い補完しながら仕事ができる

 私たちが行った支援は、「考える時間を作る」ことと、それぞれに「役割をもってもらう」ことです。

 最初に行ったことは「チームミーティング」です。

「上手くいっていること」「判断に迷うこと」の現状を、自己評価してもらいました。

 するとコウタさんは、細部まできれいにしたいと思っているけれど、時間配分がわからず、自分には仕事量が多いのではないかと悩んでいました。

 サクラさんは、時間通りペース配分はできているけれど、誰かがトイレを使っているときにその場で待っていた方がよいのか、それとも後回しにした方がよいのか、判断がつかないことを悩んでいました。

 ケンさんは、コウタさんの仕事の丁寧さを評価している反面、仕事の遅さにイライラしていることを告白してくれました。