「言っても無駄」「やっても無駄」……
若手が失望していくマネジメントの特徴

 言葉だけでなく、日々の関わり方にも若手が失望していく要因があります。

期待値が具体的に共有されない

「いい感じに」「なるべく早く」といった曖昧な指示は、若手にとっては“正解のないテスト”です。

  評価基準が見えない状態では、努力は不安に変わります。

仕事の意味や意義が語られない

  背景や意図が共有されない仕事は、作業になります。

 やがて「自分でなくてもいい仕事」だと感じるようになります。

裁量がなく、前例だけが重視される

  考える余地が奪われると、主体性は育ちません。

 特に成長意欲の高い若手ほど、「ここでは伸びない」と判断するのが早くなります。

指示や判断に一貫性がない
 
 昨日と今日で言うことが変わると、若手は相談しなくなります。変わった理由が共有されないと、「どうせまた変わる」「やっても無駄」と感じるからです。

 こうした関わり方が続くと、若手は「言っても無駄」「やっても無駄」と学んでいきます。

今日からできる
言葉の「置き換え」

 若手に主体性をもって働いてもらいたいのなら、彼らのやる気を無意識に削がないことが、重要です。

 では、どうすればいいのでしょうか。

 ポイントは、「理由」「期待値」「挑戦の余地」をセットで伝えることです。

 私自身、初めてマネージャーになったとき、「これからは、すべてあなたの言葉で語りなさい」と言われました。

「会社がそう言っているから」ではなく、「私はこう考える」と伝える覚悟が、上司には求められます。

 もし自分の言葉で語れないテーマがあるなら、部下に伝える前に、まずは自分の上司とすり合わせてみてください。

 また、言葉の置き換えだけでも、結果は大きく変わります。

 例えば

「そんなに頑張っても、すぐ給料は上がらないよ」
→「すぐに給与には反映しにくいけれど、今期はここを評価軸にするので、成果は必ず記録して次の評価につなげます」

「私も納得してないけど、上が決めたことだから」
→「予算の点は私も疑問があるので、確認中です。まずはそれ以外の部分と、今回の背景を共有します」

「うちは新しい提案が通りにくいから、前例通りやっておいて」
→「これまでの傾向を見ると、この点が通りにくくなりそうです。そこで、まず小さく試せる案から出してみてください」

 どう言葉にするかで、相手が受け取る意味は大きく変わります。

 特に上司の言葉は、想像以上に大きなインパクトをもちます。

 このことを意識して言葉を選びたいですね。

小さな失望の積み重ねで
若手は辞めていく

 若手が辞める理由は、派手な出来事ではありません。

「信頼されていないかもしれない」 「ここで成長できないかもしれない」という小さな失望の積み重ねです。

 やる気は、「信頼されている」「意味がわかる」「任されている」――そう感じられる環境で、自然と生まれます。

「何か良いことをしよう」と考える前に、やる気を削ぐ関わり方をしていないか。

 今日から一つずつ見直してみませんか。