儲けあっての起業なので、もっともなことです。しかし実は、シリコンバレーではそういった起業家は成功しないと言われています。

 それはどうしてでしょうか?

 起業には「お金にならない」「もう無理だ」と思えることや理由が山ほどあるからです。そのため「儲け」ばかりに目が行く人は、成果ばかりを求め、結果としてすぐやめてしまうのです。

 私がこれまでたくさんの起業家を支援してきた中で発見したのは、長期的に成功し続けている人たちには共通点があるということです。

 それは、自分のパッションと事業のアイデアが深くつながっているということ。

 これを理解するためのポイントは3つあります。

(1)「個人の円」(2)「事業の円」(3)2つの円が重なる場所に事業アイデアを見出す

 シンプルですが、参考に次の図を見てください。あなただけの良いアイデアは、次の2つの円が重なる部分にあるのです(図3参照)。

図3:事業アイデアの見つけ方同書より転載

 一つ一つ順に見ていきましょう。

(1)「個人の円」(内向的視点)

 あなた自身のパッションや自分らしさを見つめる視点です。あなたが心から興味があること、解決したいと思う課題は何か、なぜそれをやりたいのか、自分の個性や経験がどう活かせるか、社会とのつながりをどう感じるかなどを深掘りします。

 私が育成してきた多くの起業家たちの中でも、成功している人たちは、自分の軸、人生をかけて大切に思う課題や目的が、事業のデザインと重なり合っています。

 つまり、お金を稼げることはもちろん大切ですが、それとともに心から「その課題を解決したい」「そのバリュー(価値)を届けたい」「これは私がやるべきことだ!」というパッションを持つ人たちが、結果的に根気強く、大きな成功を手にしているのです。

 起業において事業のアイデアがもっとも大切と思われがちですが、アイデアは解決したい課題やお客さんに届けたいバリューのための方法でしかないので、アイデア自体は柔軟に変化させられることが大切です。