死ぬときに1億円を抱えていても
何の意味もない

「負け組」という強い表現に、引っかかりを覚えた方もいるかもしれません。そこで少し補足すると、実は僕はかなりの負けず嫌いで、昔から「負けたくない」という気持ちを原動力に、受験や就職活動といった人生の試練を乗り越えてきました。 

老後の「お金の使い方」、幸せになる人と後悔する人を分ける“たった2つの条件”とは?筆者は2021年に「FIRE」を達成。作家としても活動し、自身や仲間のFIRE体験談を記したKindle本を発売しています。
君たちはFIRE後どう生きるか』(寺澤伸洋 著/Amazon KDP)。

 だからこそ、この言葉を自分に言い聞かせることは、「負けたくない」と考えがちな自身の思考パターンを逆手に取り、お金を使うことへの心理的ハードルを下げるための有効な手段となりました。

 もちろん、誰もが同じように考える必要はありません。ただ、お金を使うことに対して心理的ハードルがある人は、このように自分の中でうまく理由付けをしてあげると、抵抗感が軽減されます。ぜひご自身にとって、一番納得感がある文脈を考えてみてください。

 改めて、僕が今回伝えたかったことは大きく二つあります。

・お金を貯めることはたしかに大切だけれども、貯めることだけに盲目的になるのは避けるべき

・一方で、お金を使い切ることを重視しすぎるあまり、幸せにつながらない出費を重ねることも避けるべき 

 この2点を知っておくことが、幸せな人生を送る上で大いに役立つはずです。お金はあくまでも幸せになるための道具であり、お金そのものが僕たちを幸せにしてくれるわけではありません。お金は人生を彩るためにあります。

 おそらく僕たちは、最期の瞬間に、通帳の数字を思い出して微笑むことはありません。この世を去るときはきっと、これまでの人生で積み上げてきた思い出を振り返りながら旅立つはずです。

 だからこそ「資産形成」と「人生の幸福」のバランスを取りながら、資産を価値ある経験に変換することが重要なのです。 

 僕自身も、この新しい考えのもと、人生の幕を閉じるその日まで、1円でも多くの資産を有意義な経験に変えていきたいと考えています。

 死ぬときに1億円を抱えていても、何の意味もありませんから。