お金は「自分を守る盾」ではなく
「幸せをつかむための武器」である

 そんな心理状況では、いくらお金があったところで不安は消えません。実際は病気になっても、国の健康保険のおかげで支出は限定的で済むはずなのに、万が一の事態に備えてお金を貯め続けていました。

 ですが、「いくらあれば人生の最後まで苦労をせずに生きていけるか」といった具体的なシミュレーションまでは行っておらず、その不安はあくまで漠然としたものでした。

 そこで「現状のままでは充実した人生を送れない」と一念発起し、人生に必要な金額を細かく数値化しました。その上で、自分が健康寿命を迎えるまでの時間を計算したとき、僕の金銭感覚は劇的に変化しました。

 今では、
・やりたいこと/欲しいものには支出を惜しまない
・ただし、その支出が、自分を幸せにしてくれる場合に限る
という基準でお金を使おうと思えるようになりました。

 こうした思考プロセスを経て、現在の僕にとってお金は「自分を守る盾」から「自分幸せをつかむための武器」に変わったのです。

 とはいえ、価値観を転換したばかりの僕は、資産形成の過程で節約の習慣が身についており、自分にとっての適正な生活レベルを確立してしまっていました。

 たとえ口座に余裕があり、趣味などの「本当にやりたいこと」が見えてきても、急にお金を使う生活へとシフトすることはなかなかできなかったのが正直なところです。

 そこで僕は、自分の価値観を変えるために、ある言葉を心の中で言い聞かせるようになりました。

 それは、「どれだけお金を持っていても、それを使いきれなかったら負け組だ」という言葉です。