種明かしをしてしまうと、彼らは“厳密な意味での葬儀社”では実はないのである。すなわち、彼ら自身は基本的に葬祭ホールや霊柩車などを保有しているわけではない。IT技術を活用した宣伝力、営業力でもって、とにかく多くの“葬儀の契約”をとりまとめ、実際の葬儀の執行は提携している全国の一般の葬儀社に任せるという、つまり“葬儀社紹介業”とでも呼ぶべき業務が、彼らの実態なのだ。
すでに述べたように、葬儀社とは実は大資本による全国チェーン展開のような形での営業が難しい事業である。しかし、葬儀に関する相談やその受注業務だけに特化し、“実務”は一般の葬儀社に下請け的に投げる形態ならば、“全国展開”は可能だった。そういう新機軸のもとに、ここ十数年で急成長してきたのが、これらネット葬儀社たちだったのだ。
彼らの強みとは、とにかく一にも二にも従来の葬儀社にはない営業力と宣伝力である。親族が危篤状態に陥ったり、また事故などで急死したりした人が、不安とともにスマートフォンで「お葬式」などと検索すれば、すぐ自社サイトに誘導できるようネット葬儀社は競ってネット広告に多額の金をつぎ込んできた。
これらネット葬儀社があまりにも大量に広告を出すものだから、ネット広告料金の相場自体が高騰してしまい、一時こうした葬儀社の広告は一般商品の広告に比して単価が10倍くらいになっていたこともあったらしい。
曖昧だった葬儀費用を
定価表示に切り替えた
また彼らネット葬儀社のサイトには、葬儀を執り行う際の流れ、たとえば役所にはどういう手続きを行えばいいのか、葬儀ではどういう服装をすればいいのか、喪主は式場でどうふるまえばいいのか、などといったコラムが多々掲載されていて、初めて身内を亡くした人などにとってはかなり心強いだろうコンテンツが充実している。
そしてそれ以上に、身内をなくした人々を安心させてくれると思われるのが葬儀価格の“定価表示”である。







