「正しい説明」が、相手をフリーズさせる瞬間

 想像してみてください。あなたが実家の両親に、新しいスマートフォンの料金プランを説明する場面です。あなたは事前に調べ上げ、完璧な知識を持っています。

「まず、基本料金がこれで、データ容量がギガ放題でね。5Gオプションを入れると月々プラス1000円かかるんだけど、2年契約の縛りがあって、途中で解約すると違約金が発生するの。でもその代わり、家族割を適用すると……」

 あなたは「正しい情報」を「正しい順番」で話しています。しかし、両親の顔を見てください。眉間にしわが寄り、目は泳ぎ、頭の上には巨大な「?」マークが浮かんでいるはずです。

 これはビジネスの現場でも同じです。

 上司に「例のプロジェクト、どうなってる?」と聞かれ、「えっと、先週A社に電話しまして、いくつか質問が来ていたので回答したんですが、その後、開発チームでBというバグが見つかりまして、これが結構深刻で……あ、でもA社の見積もりは……」と、起きた出来事を時系列順に話してしまう。

 上司の心の声はこうです。

「(……結局、順調なのか?トラブルなのか?俺は何を指示すればいいんだ?)」

 なぜ、一生懸命説明しているのに伝わらないのか。

 それは、あなたの説明が「壁当て」になっているからです。一人で壁に向かって、自分の投げたい剛速球(情報)を、投げたいフォーム(順番)で投げ続けている。これでは、相手はボールを受け取れません。

 説明とは、自分が気持ちよく話すことではありません。相手がボールを受け取れるように投げる「キャッチボール」なのです。

「6W3H」の引き出しを、相手のために並べ替える

 では、説明がうまい人(キャッチボールの名手)は、どう話しているのでしょうか。

 彼らの頭の中には、情報を整理するための「6W3H」という9つの引き出しがあります。