照明などのステージにまつわる飾りがなく極端にシンプルなセットというチャンネルの演出を、アーティスト側も存分に理解して乗っかっていると見えて、自らの素材そのものを魅力としてダイレクトに伝えるような工夫を凝らしている。

 たとえばAdoの熱唱する徹底した黒い影のシルエット、「革命道中」のアイナ・ジ・エンドの冒頭のしゃがみ込みマイク、白い部屋に色鮮やかなあのちゃんの衣装、FRUITS ZIPPERの和気あいあいとした感じなど、どれも個性が出ていて見応えがある。

クオリティが高い長田の歌と
存在感を放つ松尾の動き

 チョコプラは自身の『風呂キャンセル界隈』という曲で出演した。元のYouTube動画は668万再生されている人気ぶりで、ファーストテイクも公開から11日で257万再生とかなり順調である(1月23日時点)。

 ネットの流行語がそのままタイトルに使われた同曲だが、レゲエ調のアレンジに毒がなくて、風呂に入ろうか入るまいか葛藤する人のすさまじく煮えきらない様子を微笑ましく見ていることができる。

 コミカルに「入ろかやめよか」と繰り返すのは松尾氏で、動き・表情・衣装が妙にレゲエとマッチしているし、なぜか目が離せない存在感を放っている。

 一方この曲ではメイン的なボーカルを務めるのは長田氏で、たまたま知り合いが制作の近い現場にいたので裏話を聞くと「長田さんの歌は修正の必要がないくらいクオリティが高くて表現力もすごかった」とのことで、たしかに動画でも素晴らしいボーカルを披露している。

 2人がそれぞれ別の役割を、充分以上に果たしながらお互いを引き立てているような塩梅である。

 また、音楽とお笑いという畑は違えど、これはコンビがお笑いで培った強みであろう、チョコプラのファーストテイクにおけるライブ感、臨場感たるや凄まじく、一線級で活躍するお笑いコンビの厚みを「わからされた」感があった。