戦略1:「準備不足」でも応募する

 宝くじは買わなければ当たらない。転職も応募しなければ何も始まらない。この当たり前を、実践できている人は意外と少ない。

「まだ実力が足りない」「今のプロジェクトが終わってから」「どうせ受からない」などと言い訳して、打席に立つことを控えていないだろうか。断言しよう、その謙虚な準備期間こそが、キャリアを制限している最大の要因だ。

 私はケーブルテレビ局で働きながら、大手放送局の中途採用や番組オーディションに応募し続けた。そう簡単には、夢のようなキャリアアップなどできなかった。それでも応募を続けたのは、「応募すること自体」がスキルアップになると気づいたからだ。

 応募するには、自己PRや志望動機が必要だ。エントリーシートや履歴書に書くたびに、自己分析を繰り返した。私は、ニュース読みや司会の技術では他のアナウンサーに勝てなかった。

 しかし、応募書類を書くことで、自分の強みが見えてくる。当時の私はリポーター業務が圧倒的に多く、「年間数百人にインタビューしている」「街の人の懐に入り込む技術なら負けないのでは?」というポイントが見えてきた。

 応募するたびにキャリアの棚卸しが強制的に行われ、自分の強みや足りないものがわかってくる。

 いずれ転職を考えている人も、まずは憧れの企業に応募してみてほしい。そのプロセスで書いた自己PRと志望動機が、キャリアの羅針盤になるはずだ。

戦略2:弱みを見せて愛される

 器用ではない私には、圧倒的なスキルなどなかった。スポーツ実況も原稿読みも、同年代のエリートと比べれば並以下だ。

 それでも、経験者が集まるオーディションで次第に最終選考まで残れるようになった。私より上手い人は山ほどいるのにもかかわらず、だ。

 私が意識したのは、お笑い芸人さんから学んだ「弱みを見せて親しまれる」ことだった。

 ケーブルテレビ局では多くの芸人さんと共演した。駆け出しの若手から、大ブレイクしているベテランまで、テレビで親しまれる彼・彼女らを見ていて気づいたことがある。