1年前に私の面接を見た、ラジオ局の報道局長だった。折り返すと、局長は挨拶もそこそこに、まるで1年の空白などなかったかのように単刀直入に切り出した。
「新しい報道番組を立ち上げる。そこで、君にリポーターと記者をやってほしい」
驚きと喜びで、携帯を持つ手が震えた。その場でオファーを快諾。当時働いていたケーブルテレビ局に事情を話すと、嫌な顔ひとつせず「そんなチャンスは滅多にない。絶対に行ったほうがいい!」と快く送り出してくれた。
なぜ1年前に落とした人間にわざわざ連絡を? 後日、報道局長に理由を尋ねた。返ってきたのが冒頭でも紹介した言葉だ。
「スキルは許容範囲くらいだった。でも、『いい人』そうだったんだよ」
「採用する側も、中途採用では失敗したくない。一番怖いのは、スキルだけ高くても協調性がなくてチームを壊す人を入れること。仕事は後からでも覚えられる。それなら、間違いなく一緒にうまくやっていける、愛される人の方が大事なんだよ」
嬉しかった。スキルがない私でも、カッコつけずにさらけ出すことで、一緒に働きたいという思いを残せていたのだ。
写真はイメージです Photo:PIXTA
戦略3:スキルを掛け合わせて希少な人材になる
リポーターとして充実した日々を送る一方で、私は「いじられキャラ」という立ち位置に不安を感じ始めていた。若いうちはいい、だが40歳、50歳になっても需要があるだろうか? 生き残るには専門性が必要だ。
情報番組や報道番組を見て、必要なポジションを考えた。そこで選んだのが「気象予報士」だった。国家資格であり、やりがいを感じられ、自分のキャラクターも生かせると思った。
働きながら仕事終わりにファミレスやカフェで勉強した。何度も試験に落ち、30歳の時にようやく合格した。
とはいえ、資格を持っているだけでは意味がない。私はラジオ局に許可を取り、休みの日に気象会社を通して別の放送局で天気の原稿を書き始めた。







