1on1は「整理の場」ではない
ここで、多くの人が誤解している点があります。
結論を言うと、1on1は、部下との関係を構築する場ではありません。部下の状況を整理し、お互いに確認する場なんです。
そして、その整理を最初にやるべきなのは、やっぱりリーダーです。
・このメンバーに何を期待しているのか
・どの状態になれば「OK」と判断するのか
・今回の1on1が終わったあと、どんな行動を取ってほしいのか
これを考えずに1on1に臨んでいないでしょうか?
もしそうだとしたら、せっかくの1on1が無意味な場になるのは当然の結果かもしれません。
優しさが、部下を迷わせることがある
最近のリーダーは、総じて優しいです。
というか、「優しくふるまうことが強いられている」と言った方がいいかもしれません。
部下を尊重し、自分の答えを強くは主張せず、相手の考えを否定しない。それ自体は、とても大切な姿勢です。
ただし、仕事では、優しさが迷いを増やすことがあります。
選択肢が多く、自由度が高いのは、理想的な状況にも見えますが、実際には「どれを選べばいいかわからない」という状態をつくってしまいます。
この状態で「自分で考えて」「主体的に」と促すのは、育成ではなく放置です。
部下の仕事が進まない原因の多くは、能力不足ではなく、判断基準が言語化されていないことです。
何をやればいいか以前に、何をやらなくていいかが決まっていない。
そこをリーダーが理解できるかどうかにかかっています。
仕事ができるリーダーが、1on1の前に考えていること
仕事ができるリーダーは、1on1の前に必ず明確にしています。
・今回の1on1で、何を決めるのか
・この時間が終わったあと、相手は何をすればいいのか
・どんな状態になれば「前進」と言えるのか
だから、1on1の会話は自然と具体的になり、部下が安心して仕事を進められるわけです。
なぜなら、考える負荷が減るからです。そしてここまで整えれば自走できます。
1on1は、関係性を良くするための時間ではなく、次の行動を確定させるための時間です。
その前提を持たずに行っても成果にはつながりません。
1on1をすれば、人が育つわけではありません。話を聞けば、行動が変わるわけでもありません。
1on1が機能するのは、リーダーの頭の中が、すでに言語化され、それを部下に共有できているときだけなのです。







