部活動中のけがで半身不随に…事故を「本人の不注意」にされずに損害賠償請求で勝訴する方法写真はイメージです Photo:PIXTA

子どもが体育の授業や部活動中に、思わぬ事故に遭遇する可能性はある。障害が残ることになった場合、自治体や学校を相手取り、損害賠償請求を起こすケースも実際にある。体操部の活動中の事故で首を強打し半身不随になった高1の男子生徒の事例を紹介しよう。※本稿は、山岸久朗『人生のトラブル、相場はいくら?』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

体操部の活動中の事故で首を強打
高1の男子生徒は半身不随に

 もし、お子さんがこれからスポーツを始めようとしたり、中学や高校への進学に伴い、部活動を選ぼうとしたりする場合に備え、スポーツ中の事故について少しお話ししたいと思います。

 私が、過去の判例を調査する中で、特に危険で事故を起こしやすく、事故によって大きな障害を負う可能性が高いと考える部活動のスポーツ種目は、ラグビー、柔道、トランポリン、体操です。これらは、過去の判例上、特に重大な事故が多い。

 過去、下記のような事案を担当したことがありました。

 公立高校に通い、体操部に所属していた男子生徒が、鉄棒の回転技の練習中に落下し、首が折れ曲がるように強打するという大事故が発生しました。

 私は知人に頼まれ、事故直後の病院まで急行しました。ベッドの上には、茫然自失の高校1年生の男子生徒が仰向けに寝ていました。いかにも体操部らしく、筋骨隆々の肉体美です。

 話しかけると、「先生、首から下が動かないんです」と、全く感情を感じさせないロボットのような話し方で言いました。首を強打すると、脊髄が損傷し、半身不随になってしまう事故の事案は過去に何度も経験したことがありますが、まだ高1で、首から下が動かないとは、なんとかわいそうなことかと思いました。