尻尾の位置など、目で見てわかるものから、互いに体をこすりあわせたり毛づくろいをしたりするスキンシップまで、サインにはさまざまなものがある。
本記事では、こうしたサインがどのように変化したのか、猫どうしのコミュニケーションでどう使われているのか、人間とのコミュニケーションにどのように応用されたのかを見ていきたいと思う。
集団で行動するようになるも
群れを嫌う本能は残り続けた
「犬の原型」であるオオカミは、家畜化される以前にすでに仲間と協力して行動しており、そのスキルを人間との生活にみごとに適応させた。
だが、群れることのないヤマネコの場合、新たな種(人間)だけでなく、仲間とのコミュニケーションを学ぶ必要があった。2倍の苦労だ。
つまり、私たち人間が互いにおしゃべりすることを学び、犬に新しいスキルや芸を教えているあいだに、ヤマネコの生活様式は単独行動からグループ行動へと大きく変わった。他の猫が間近で見たり感じたりできるサインを習得したのだ。
さらに、人間が声によるやりとりを好むことに気づき、犬が吠えるように、それまでの鳴き声を人間の注意を引くものに進化させた。
カルロス・ドリスコルの研究チームが指摘したように、「猫は飼いならされると社交的だが、野生では単独で行動する唯一の家畜である」
賢いイエネコは、つねに選択肢を残していた。完全に社交的な動物となるのではなく、状況に応じて単独あるいは集団で生活する能力を保ちつづけたのだ。そのため、「条件的社交家」や「社会的ジェネラリスト」などと称されることが多い。
栄養の行き届いた飼い猫は、人間の家で1匹、2匹、あるいはそれ以上の小さな集団で暮らす。こうした猫は「人間」のコミュニケーションスキルを身につけ、それと同時に同居の猫や、外に出ることが許されていれば近所の猫も相手にしなければならない。
人間に完全になびかない猫は
本当に愛玩動物となったのか?
一方で、残念ながらさまざまな理由により安全で快適な家を失い、野良猫になるケースも少なくない。







