若い世代の選挙区を中心に
タレント議員が増える?

 世代別選挙区制度を導入した際の副産物には、いろいろ想像が膨らむ。ひとつたしかなこととして、議員職を肉親に世襲させたり、親しい者に禅譲したりすることは一般的には困難になる。

 世代別選挙区は、有力政治家の意向を断ち切る効果があって、その意味でのエリート支配を許さない。通例の土地に根差した選挙区制度がどこまで維持されるかにも依るものの、それでも政治的な代表は有権者の意思にいっそう敏感になるはずだ。

 ただし、タレント議員についてはむしろその跋扈を許すことになるかもしれない。特定の世代を代表するというイメージが、時代を共有した有権者に対して強く働きそうだ。

 確実に言えそうなのは、若い世代の選挙区を中心に、タレント議員が増えるということである。若い候補者の場合、当該人物に関する情報がかぎられるために、広い意味でタレント活動をして、各種メディアで露出している方が有利になる。

 そのため、上と同じ言い方になるが、若い世代の選挙区出身の政治家が若者のために働くかは未知数である。

 また、各政党にとっても若い候補者の情報は限られるので、その方針に従順な者を候補にするのは、合理的な流れである。より大掛かりなシステムによって、世襲が維持される可能性もある。こうした点は、世代別選挙区制度の限界と表現できるかもしれない。

 世代別選挙区制度は他の過激な高齢者抑制策(編集部注/高齢者の選挙権没収や高齢者への能力テストによる選挙権付与制度、余命別選挙制度)に比べて、現実的で受け入れやすさのある制度構想である。ただし、投票価値の平等という原則との関係はどうだろうか。

 結論的に言えば、世代別選挙区の数を各世代の人口数にあわせて設置すれば、問題はなさそうだ。当然、その分だけSDへの抑制効果は薄まる。