言葉足らずがどっちつかずに…
謎を呼ぶ不完全な貼り紙

どっちやねんどっちやねん(松村氏より提供)
●4つのポイント
公平性(F):1点
誘引性(A):2点
目的の二重性(D):2点
ユーモア(H):2点

●仕掛けスコア…F×(A+D+H):6点

●コメント:混乱は好奇心のもと

「敷金礼金なし あります」

 どっちやねん!とつぶやきながら撮影した1枚です。

 ピンク色の文字が1文字ずつ1枚の紙にプリントされ、並べて貼りつけられているので、遠目からもとても目立つのです。パッと目に飛び込むよい掲示だと思います。しかし、何を言っているのかわかりません。

 敷金礼金が「なし」なのか「あり」なのか。

 近づいてみると、貼り紙の下に大きなパネルが2枚あり、たくさんの物件情報が載っています。

「敷金礼金なし」と「あります」の間は1角(紙1枚ぶん)空いているので、左のパネルが「なし」物件コーナー、右のパネルが「あり」物件コーナーなのかもしれません。

 もしくは「敷金礼金なし」の物件が「あります」という意味かもしれません。

 いずれにせよ、言葉足らずの表現が、かえって人の興味をひく逆説的な掲示です。

ネギ山盛りのラーメン
どんなタイトルをつける?

血圧が気になるのでサラダにした血圧が気になるのでサラダにした(松村氏より提供)
●4つのポイント
公平性(F):1点
誘引性(A):2点
目的の二重性(D):2点
ユーモア(H):3点

●仕掛けスコア…F×(A+D+H):7点

●コメント:ネーミングひとつでも仕掛けになります

 血圧をちょっと気にしていたので、この日の夕食は「サラダ」にしてみました。

ネーミングの妙で
ツッコミを待つ

 ラーメンに大量のネギをトッピングしただけなので、まあ言い訳ですね。

「どうネーミングするか」で写真の印象は大きく変わります。「ネギをのせました」だけでは何も起こりませんが「サラダにしました」と言うとユーモアが生まれます。

 ラーメンのネギ増しをサラダに見立てることで、その情報を受け取った側に「オイッちゃうやろ」とツッコミが生まれます。

 ボケとツッコミのような、ユーモアを介したやりとりを考えるときには「見立て」の技術が役に立ちます。本物とそれに見立てたものとのズレが面白さの核となるのです。アイデアそのもの以上に、それをどう見せるか、どう仕掛けるか考えるときに、ぜひ「見立て」の技術を使ってみてください。