「仕事とは何か?」の認識が非常に重要

当たり前ですが、仕事は遊びではありませんし、自分がやりたいことだけをやっていればいいわけでもありません。

仕事とは「貢献」であり、「他者の負荷を減らすこと」です。この認識が腹落ちしていないといけません。

チームメンバーにこの認識がなければ、お互いに自分都合で物事を考えるようになってしまいます。

また、「注意される=攻撃された」と解釈しやすくなります。そして、防御の最終兵器として「ハラスメント」という言葉が出てきます。

業務上の注意は、仕事をする上で必要だからされているはずです。たしかに注意されるのはいい気分ではありません。

ですが、「いやな気分になったからハラスメントだ!」では、そもそも仕事が成立しなくなります。

本当のハラスメントは論外ですが、「それ、ハラスメントです!」を相手への攻撃として使っていたとしたら、どうでしょうか? その人は「仕事」をしていることになるのでしょうか?

たいていは「していない」ですね。相手を止め、会話を遮断し、状況をこじらせます。つまり負荷を増やしていることになります。

「ハラスメント」の言葉を禁止せず、翻訳させる

ただし、「ハラスメントって言うな」と封じることは絶対禁止です。

それをやると、正当な訴えまで潰れてしまいます。

大事なのは、言葉を禁止するのではなく、言葉の中身を業務に翻訳することです。

具体的には、次の3点を必ず書いてもらいます。口頭だとうまくまとめられない可能性もあるので、文章にしてもらいましょう。

何が起きたか(事実)
自分はどう感じたか(感情)
どうしてほしかったのか(代替案)

「わたしはムカつきました」「もう何も言われたくありません」では仕事ではなくなってしまいます。

厳しく聞こえてしまうかもしれませんが、仕事の目的は「相手(クライアントや社会)に貢献すること」であって、「自分らしく働くこと」ではありません。

リーダーが伝えるべきは「評価軸」と「前提」

繰り返しですが、本当のハラスメントは論外で、断じて許されることではありません。

「そんなことはわかってる」と言いつつ「業務上の厳しい指示」と「ハラスメント発言」の区別がついていないビジネスパーソンがいるのも残念ながら事実かと思います。

なので、ここで改めてリーダーに求められることを示しておきます。

リーダーからの注意やフィードバックをメンバーが“攻撃”として捉えるとしたら、それは評価軸と前提が言語化されていないからです。

リーダーはメンバーに何をしてほしいのか、どこまでやってほしいのか、何はしてほしくないのか、などの基準と前提を伝えておかなければいけません

それが伝わっていないと、当然ズレます。そしてズレたからといってメンバーの考えやアウトプットを否定すると、メンバーが一生懸命に考えたものを無碍に否定しているようにも見えてしまいます。

メンバーの「仕事」は、「相手(まわり)の負荷を減らすこと」です。

そしてこの定義は、リーダーにも当てはまります。リーダーもメンバーの負荷を減らせるように動かなければいけません。

それをせずに「オレ・ワタシの負荷を減らせるように動け」というのは、発想としてハラスメントです。

必要なのは、お互いに相手の負荷を想像し、それを減らせるように努力することだと思います。

お互いがお互いの負荷を減らすことを念頭に仕事をしていれば、自然と対立はなくなるし、意図しないハラスメントもなくなっていくと感じます。