このアプローチは、失敗を「個人への罰」から「チームの学びの機会」へと転換させます。責任の所在を客観的に明らかにすることで、チームは不必要な対立を避け、建設的な再発防止策の議論へと進むことができます。
『組織と人を動かす科学的に正しいホメ方 ポジティブ・フィードバックの技術』(伊達洋駆、黒住 嶺、WAVE出版)
これらの発見を踏まえると、チームマネジメントにおける「ホメの黄金比」は、新たな意味を持ち始めます。
それは、特定の個人を「5回ホメて1回叱る」という単純な回数の比率ではありません。むしろ、チームとして「成功体験(ホメる機会)を広く共有し、その価値を最大化する」一方で、「失敗体験(叱責や責任追及の機会)の影響を限定的に捉え、ダメージを最小化する」という、機会マネジメントの比率と捉えるべきでしょう。
日ごろから多くの成功体験をチーム全体で分かち合い、称賛し合う文化が根づいていれば、チームにはポジティブな感情や信頼関係という「心理的資本」が蓄積されます。この資本があることで、チームは時として訪れる避けられない失敗にも耐え、それを乗り越えて成長していくことができます。
このように、チームとしても「ホメの黄金比」を意識することが、組織全体のパフォーマンス向上に結びつくでしょう。






