年金の手取り額は
27年間で38万円も減少している

 最後に下記のグラフを見ていただきたい。

 公的年金と企業年金を合わせて年金収入が300万円ある人の手取り額は、1999年に290万円だったのが、2008年には265万円に減り、26年にはなんと252万円にまで減っている。27年間で金額では38万円、率にして約13%もの減少とは驚きだ。

 グラフからは、税負担よりも社会保険料負担が年々重くなっていることがわかる。

 一般的に公的年金(老齢厚生年金+老齢基礎年金)だけで、65歳から年金収入が300万円の人はまずいない。私が駆け出しのFPだった1999年に試算したのが、公的年金200万円+企業年金100万円、合計収入が300万円の人の手取り額だった。

 その時のメモに基づいて「99年、年金収入300万円」のケースを基準としている。27年間で手取り額が大幅に減少した背景には、2000年に公的介護保険がスタートし保険料の徴収が始まったこと、年金生活者や専業主婦世帯が増税になる税制改正があったこと、国保・介護の保険料が断続的にアップしていることが挙げられる。

 今年の税制改正案は、物価上昇による中低所得者の生活環境悪化を緩和するためとうたわれているが、実は年金生活を送る人にとってはメリットがほとんどないことがわかる。

 食料品や日用品の価格高騰は続いている。税制改正による手取りアップが望めないなら、各人で計画的な家計運営を心がけるのが自衛策となる。