沸騰!エンタメビジネスPhoto:Bloomberg/gettyimages

「Switch2が年内最大の年末商戦で不振」という報道の影響もあり、任天堂株価が下落している。実際には何があったのか。『沸騰!エンタメビジネス』第3回では、ゲーム市場最大の年末商戦の状況をアナリストが詳細に解説する。(東洋証券アナリスト 安田秀樹)

任天堂株価が低迷中?!その理由はどこにある
市場の動揺を生んだ年末商戦の情報を分析

 クリスマスに米ブラックフライデーと、年間でも最もゲーム機の需要が高まる年末商戦期が終わった。この販売結果を受けて、資本市場では衝撃が広がっている。発売されたばかりのSwitch2のまさかの不振とも取れる内容だからだ。任天堂の株価も下落している。

 12月に米調査会社サカーナが発表したレポートによると、11月の米国のゲーム市場の販売はここ20年間で最悪だったという。さらに、11月末のブラックフライデー期間のみの実売シェアも公表され、PS(プレイステーション)5が半分近くを占めたとされていた。

 Switch2のハードの価格の高さが理由で、販売が不調となったとする報道が多いが、筆者はそうではないと考えている。実際には何が起こったのか。

 まず任天堂の11月の「不調」から解説しよう。任天堂は11月のブラックフライデー期間に値下げするような施策を取らず、通年で安定的な販売を狙っている。そのため、そもそも11月の数字だけで任天堂を見るのは難しい。上記の手法だとセール期よりもプレゼント需要が高まる12月の方が販売好調になる傾向があるからだ。

 そもそもハード販売の不調の原因が、価格が高いことにあるのなら、日本でもSwitch2は4万9980円とSwitchの約1.5倍であるにもかかわらず、Switchを上回る売り上げとなっていることの説明がつかない。

 ちなみに、任天堂が比較的弱いといわれるスペインでも、25年の約6カ月間の販売が過去最高の31万台となったことが報道されている。また、英国もSwitchとSwitch2の合算で11月の販売台数は前年比41%増だった。どちらも好調といっていい成績だ。

 12月、そして第3四半期に関してはどうか。日米とスペイン市場についての速報値がSwitch2について出ている。こちらをひもときながら次ページからはSwitch2「不調」の真相について解き明かしていこう。さらに今期以降の任天堂は折からの半導体価格高騰による大幅な減益リスクも懸念されている。ライバルであるソニーグループとの比較も併せて、詳しく見てこう。