ゲーム理論の代表格である
「囚人のジレンマ」をおさらい

「ゲーム理論と言えば囚人のジレンマ」、「囚人のジレンマと言えばゲーム理論」と言われるほど、ゲーム理論の代表格が囚人のジレンマです。1950年、米国初のシンクタンク、ランド研究所によって考え出されました。

 囚人のジレンマとは、お互い協力する方が協力しないよりも良い結果になることがわかっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というジレンマです。

 あなたと相棒は犯罪を犯し逮捕されてしまいました。それぞれ隔離された独房に入れられ取り調べが行われました。警察は決定的証拠をつかめず、このままでは2人を軽犯罪で懲役1年にするしかできません。そこで、警察は2人に交渉案(司法取引)を持ちかけます。

・一方が自白し、もう一方が黙秘の場合、前者は釈放、後者は懲役10年
・2人とも黙秘の場合は、2人とも懲役1年
・2人とも自白の場合は、2人とも懲役5年

 2人とも自分が決断するまで互いの決定を知ることができず、相棒がまったく同じ提案を受けているという話のみを聞いています。あなたはどうしますか。

 この条件のもとで2人が最大の利益を得るためには、2人とも黙秘する(2人とも懲役1年で済む)ことですが、相手の裏切りを恐れて結果的にどちらも自白する(2人とも懲役5年)というジレンマが生じることになります。

夫の浮気をやめさせる
妻の戦略(ケース1)

 冒頭の問題をゲーム理論で考えてみましょう。妻は夫の浮気を疑っています。問い詰めたいところですが、喧嘩になるとどんどんヒートアップして収拾がつかなくなる2人、最悪離婚まで発展してしまう心配が……。

 夫婦2人の利得表をつくっていきます。まず戦略として「強気に出る」「弱気に出る」の2つにします。妻の場合は「強気に出る」が浮気を問い詰めること、「弱気に出る」が黙認することを表します。夫の場合は「強気に出る」が浮気をすること、「弱気に出る」が浮気をやめることを表します。