地域・業種・規模によって
倒産傾向はまだら模様

 倒産企業の傾向を地域別にみると、地域ごとに濃淡が表れている。特に「中国」(120件、前年比18.8%増)と「中部」(291件、同17.8%増)での増加が目立った。一方で、札幌での再開発や半導体製造設備などの大規模計画が継続的に進んでいる「北海道」では前年比19.4%減の50件にとどまったほか、同じく半導体工場関連の需要が底堅い「九州」(163件、同3.6%減)、能登半島地震の復興工事などが進む「北陸」(71件、2.7%減)も若干ながら減少した。民間・公共投資の度合いが、倒産増減に影響してくるのも建設業の大きな特徴だろう。

 一方で、全国的に苦戦が聞かれるのは「木造建築工事業」、いわゆるハウスメーカー・工務店だ。住宅価格の上昇などを背景に戸建ての着工戸数が減少しているほか、4号特例の緩和により工期が延びて資金繰りが悪化するケースも多く、減収を余儀なくされる業者も散見される。

 また、工程の一部を請け負う職別工事業や設備工事業では、細分類によって傾向に差異がみられる。特に、労働集約型の色が濃い「とび工事業」「はつり・解体工事業」では、人手不足や人件費などのコスト上昇を背景に倒産が急増。「塗装工事業」や「防水工事業」、「機械器具設置工事業」なども、リーマン・ショック期を上回り、2000年以降で最多となった。

 負債規模別でみると、「5000万円未満」が最も多く、構成比では57.7%(1167件)を占めた。半面、「10億円以上」は同0.7%と少なく、人手が確保できる、あるいは選別受注で相応の利幅が確保できる中堅規模の業者に比べ、中小・零細業者の苦戦が鮮明化している。

 業歴別にみると、構成比が最も多いのは「30年以上」で全体の30.5%(617件)を占め、近年はおおむね3割程度で推移している。一方で、増加基調にあるのは「5-10年未満」で、2025年は構成比22.8%(460件)となり、2021年比では8.6ポイント上昇している。創業間もない時期にコロナ禍を経験し、経営体制の整備や財務面の蓄積が進まないなかで、物価や人件費の急騰にさらされ、支え切れなくなった業者が多いとみられる。

 一口に「建設業」と言っても、地域や業種、規模によって情勢はまだら模様だ。