むしろ、スケジュールに「余白がある」からこそ、いたずらに雑事に振り回されずに、常に好調を保ちながら「いい仕事」ができるのだと、心得るべきでしょう。

 ただ、自分ではそのつもりがなくても、家族や同僚に、「勝手に予定を入れられてしまう」ことも多いようです。

 ですから、とりたてて予定が入っていなくても適宜、「17時以降は対応不可」「この時間は予定あり」などと書きこみ、ほかの予定が入ってこないようブロックしておくことをおすすめします。

 日々、流れこんでくる仕事や、周りの都合に振り回されず、先手を打つようにして「余白」を確保する――。これもまた、多忙な現代人が身につけるべき「休息の作法」といえるでしょう。

「ひとりの時間」を持つことこそ
現代人に必要な真の「豊かさ」

 またこれは、仕事に限らず、プライベートで予定を立てる際にも有効です。

 プライベートにおいても、現代人は、無理やりにでも予定を埋め尽くし、常に誰かとつながっていようとする傾向があります。「ひとりで孤独に過ごす時間に耐えられない」と思うのかもしれませんが、そんなことでは無理がたたり、いずれ心身が疲れ果ててしまうでしょう。

「白雲抱幽石(はくうんゆうせきをいだく)」という禅語があります。

 空に浮かぶ白い雲が、奥深く静かな場所にたたずむ岩を抱くように包みこんでいる様子を描写した言葉です。

 寒山という唐時代の僧侶が、隠遁生活を過ごした風情を詠んだものですが、ここからは“孤独の寂しさ”など、微塵も感じられません。

 むしろ伝わってくるのは、穏やかで自由な心境と、「ひとりの時間」を持つことの豊かさ――。ここに、私たちが見習うべき「人生の心得」が詰まっているように思います。

 寒山のように世俗から離れずとも、こうした空白の時間を意識的につくることは、誰にでもできます。

「ひとりでいること」や「何もしないこと」を、もっとポジティブに捉えることができれば、仕事もプライベートも、いまよりずっと快適なものにしていけるのではないでしょうか。