疲れないように適宜、休息を取るには、ある種の技術が必要です。

 実際、「休息の技術」の高い人は、しっかり休んでいて、しかも仕事のパフォーマンスが高い。「できる人」ほど、「休息の技術」を心得ているといっていいでしょう。

 逆にいえば、始終へとへとに疲れている人は、「休息の技術」が身についていない、という見方ができます。

「休息の技術」の向上は
仕事の効率化がポイント

 では、どうすれば「休息の技術」を身につけ、向上させていくことができるのか。答えは明快。

「効率的に仕事を進める」

 これに尽きます。効率よく仕事が進めば、仕事をしている時間を短くできます。結果、“余剰時間”ができて、それを休息にあてることが可能になるのです。

 そのために一番重要なのは、「『あれも、これも』と、いろいろな仕事に手を出すのをやめる」ことです。

 やるべきことをいくつも抱えていると、精神的に負荷がかかります。「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と中途半端にいろいろなことに手をつけると、仕事が進んでいる実感もあまり得られません。結果、焦ってミスをしたり、集中力が下がったりして、必要以上に疲弊してしまうのです。

「一行三昧(いちぎようざんまい)」――ただ1つのことに邁進する、という禅語があります。

「あれも、これも」と手を広げず、1つのことに集中したほうが、心が落ち着き、結果的に最良のパフォーマンスが得られるという教え。まさに禅は、現代人のマルチタスクを戒めているのです。

「休息の余白」を確保するためにも、作業をするときは1つのことに集中し、ていねいに、そして着実に「やるべきこと」を片付けていくことが大切です。

 現代ビジネスは「できるだけ短期間で結果を出す」ことを求める傾向があります。「コスパ」「タイパ」という言葉がよく使われるのは、その象徴でしょう。

 しかし効率一辺倒になると、それなりの結果が出たとしても、プロセスの作業が雑になり、内容が薄っぺらくなる危険があります。

 インスタント食品にたとえるなら、調理の手間を大幅に省くことができて、味もかなり上質ではあるけれど、やはり手間暇かけてつくる手料理のおいしさにはおよばない、という感じでしょうか。