「財布が別々」の家庭に潜む
致命的欠陥とは?

 それは「家計が破綻寸前になるまで問題が表面化しない」ということです。

 というのも、夫婦別家計の家庭では、下記のような根拠のない安心感が生まれがちです。

「自分は今月浪費しちゃったけど、二人の口座にはお金が貯まっているから安泰だろう」
「毎月の家賃を支払った後、実は残額をあまり貯金できていない。でも相手はしっかりしているから、あっちの口座には貯まっているだろう」

 こうした考え方のもとで上手く回っているうちはいいですが、「住宅を購入する」「子どもが高校・大学に進学する」といった大きな資金が必要になるタイミングで大きな問題が露呈します。

 例えば、「夫婦二人の口座」だけでは足らず、お互いの口座から追加資金を投入しようと試みたものの、蓋を開けてみるとパートナーが思った以上に散財していて頭金が不足した。お互いに「相手が貯めているだろう」と思っていて、学費に回せるお金が全くなかった。こういうことだってあり得るのです。

 こうした弊害が起こりがちだからこそ、結婚をしたら早いうちから「お金はふたりで管理するものだ」というルールを作り上げていきましょう。

 そして実は、これら以外にも注意すべきパターンがあります。それは夫が働いていて、妻が専業主婦の場合によくみられる「お小遣い制」の家庭です。

 例えば、夫が月給の中から数万円を妻に渡し、「この範囲内でやりくりして」とお願いしている家庭があるとします。妻はその「お小遣い」を生活費に充て、月給の残額は夫が自由に使うことができます。

 この夫婦の中で、家計管理の主導権を握っているのは夫です。こうした家庭では、妻が夫の収入を知らないという話すら耳にします。妻側が家計を見直したくなったときに、自分たちの世帯収入がいくらかを知らなければ、手の打ちようがありません。

 しかし、妻が家計を改善しようと歩み寄っても、自分の収入を頑なに教えない夫がいるようです。

 ひどい場合は、収入を聞かれた夫が「誰に入れ知恵されたか知らないが、俺の給料を詮索するな!」「誰のおかげで生活できていると思っているんだ!」などとキレ出すことも。これは「経済DV」にあたる行為と言っていいでしょう。

 夫は妻にお金を渡しているうちに、「自分の方が偉い」と勘違いしてしまったのかもしれません。