なぜ2トン超えのクルマが「軽い」と感じるのか?

「スーッと滑らか。ずっと乗り続けたくなるクルマ」

 試乗前に聞いた、開発責任者らのプレゼンで強調された、新型リーフの開発コンセプトである。

 なんとも抽象的な表現だが、試乗してすぐに日産が伝えたいことが分かった。パワーステアリングのフィーリングはマイルドだが、クルマ全体が軽い印象。軽いといっても車重は2195kgと堂々の2トン超え。ボディ寸法が全長4360mm×全幅1810mm×全高1565mm(運転支援システム「プロパイロット2.0」装着車)というサイズ感なので、もっとドッシリするかもしれないと思っていたが、クルマの動きに重ったるさは全くない。

 クルマ全体に張りがあり軽快に動くので、ドライバーの感覚としては「軽い」と感じる。

千葉県・成田空港周辺の一般道を走る様子千葉県・成田空港周辺の一般道を走る様子 Photo by K.M.

 この「軽い」という感覚を技術的に紐解いてみたい。

 まず、車体本体にCMF-EVプラットフォームを採用、バッテリーケースと前後サスペンションの結合の最適化、サスペンションメンバーの後側ブッシュの向きを最適化したことなどにより、ドライバーの操作に対するクルマの応答に遅れがなく、かつ音や振動を低減して静粛性が高い。

 また、パワーステアリングのセッティングも効果的だ。新たにラックアシスト式を採用したことでハンドル操作に対するクルマの動きのスムーズさがあり、ハンドルをわずかに切り始めた領域で、ドライバーがパワーステアリングの適度な重さを感じる。

 さらに、前後ショックアブソーバーの減衰力のバランスを変更したことで、路面の変化への対応や道路のつなぎ目の乗り越えなどで乗り心地の良さを実現している。

 こうした車体型の進化に加えて、モーターの改良によるモーター自体の振動の低減や、パワートレインと車体との連結部の高剛性化にもこだわった。

 さらに、1万分の1秒単位でのモーター制御によって、ギアの接触ショックを低減している。

 こうした各種技術の積み重ねによって“スーッと滑らかな走り”が実現した。

 つまり、筆者の場合は、クルマの動きのスムーズさを軽さとして捉えたといえる。