もはや、マッチングとか贅沢なこと言わないから、異性から「いいね」をいただきたい。婚活中の男性として、誰かに承認されたい。ポイントだけが虚しく消耗されていく現状を打開すべく、私は実力行使に打って出た。

 私にはツイッター(現・X)にフォロワーが3万人いる。マッチングアプリの会社は数社あるが、マッチングがまったくできないことを社名を名指ししてつぶやくと、営業妨害となってしまう。そこで、

 ツイッターではたまに数千いいねを頂けますが、新書のあとがきで宣言したように婚活中の私は、とあるマッチングアプリを使い始め、1カ月で「5」いいねしか頂けず絶望しています。「コウタロ42歳茨城」で登録しています。そちらで気づかれた心優しき女性の皆様、「いいね」をお恵みください!

 と、投稿したところ、北は北海道、南は沖縄、果てはメキシコ在住の女性たちから「いいね」を恵んでいただけた。ちゃんとマッチング機能は作動していることを確認できた。

 中には、

「私はすでに彼氏がいるが、前野さんならきっと良いパートナーができるはずだからがんばってください」

 と、本当の応援を寄せてくれる心優しき女性もいた。

 そういえば、「いいね」をもらうのが本来の目的ではなかった。

11歳年下の女性と
めでたくマッチング

 マッチングアプリを使いこなせていない自分に向き合う必要があったが、幸いなことに、11歳年下のファンを名乗る女性からの「いいね」とメッセージが届いた。お隣の県に住んでおり、マッチングを所望しているとのこと。顔写真を見ると、黒髪ストレートで笑顔が大変キュート。さっそくお会いすることになった。

 何かの罠の可能性もあるので、念のため走りやすいスニーカーを履き、警戒して初顔合わせの場に向かった。

 秋葉原のオープンテラスの居酒屋で待ち合わせ。早く着きすぎたため、近くをウロウロし、緊急事態時の避難経路を確認しつつ、2次会の候補の店も探る。

 エスカレーターで下っているとき、逆方向に上がってくる女性が目にとまった。あまりにも容姿端麗で、目を奪われる。これからマッチングに出向くというのに、道行く女性に反応してはいけないと自省する。

 予約していたお店で待ち受けていると、

「コウタロさん?ですか?」