火葬場に直行するなど
葬式の仏教離れが加速中

 今、1つ明確になっているのが、直葬、家族葬、一般葬のうちどのタイプの葬式をするかで、仏教式を選択するかしないかが自ずと決まってくるということである。

 葬式の中で仏教式が選択される割合がどの程度になるのか、それを調査したものはあまりないのだが、むすびす株式会社という葬儀業者が、自分たちで行った葬式について調べたものがある(「無宗教葬が増えているのは仏教離れが原因!?コロナ禍における火葬式の増加と無宗教葬の因果関係」PRIME TIME 2021年11月25日)。

 首都圏一都三県での施行事例だが、それによれば、2017年から2021年の間に、仏教式ではない無宗教式が増えているという結果が出ている。

 2017年には無宗教式が19パーセントで、「導師手配」となっているので仏教式と考えていいだろうが、それが81パーセントだった。

 その後、無宗教式の方は、24パーセント、25パーセント、29パーセントと年を追うごとに増加し、2021年には34パーセントにまで達している。2017年の19パーセントと比較するなら、無宗教式は急増している。

 この調査では、葬式の形態別に無宗教式の割合を示している。それぞれ2019年の初めから月別に示されているのだが、家族葬では、無宗教式はほぼ10パーセントを下回っている。中型葬というのは、一般葬のことと考えられるが、その形式だと、0パーセントという月も多く、27パーセントという月がひと月だけあった。数字のふれ幅が大きいのは、一般葬の件数が少ないからに違いない。要するに、一般葬はもちろん、家族葬でも仏教式が選択されることが依然として多いのだ。

 となると、無宗教式が増えていることと矛盾するように思われるかもしれないが、その数を押し上げているのが火葬式、つまりは火葬場に直行するだけで済ませる直葬の増加である。火葬式だと、無宗教式が平均6割を超えている。

 この調査では、火葬式、家族葬、一般葬の数については示されていないので、はっきりしないところはある。だが、家族葬や一般葬ではほとんど仏教式でも、火葬式ではその割合が相当に低くなり、火葬式が増えた結果、無宗教式が急増していることになる。

 つまりは、葬式の「仏教離れ」が進行しているわけである。

僧侶の生活を守るために
仏教式の葬式が作られた

 我が家でも、2014年4月に母親が93歳で亡くなったときには、直葬で行い、僧侶は呼ばなかった。

 ただ、家族葬や一般葬となると、まだまだ僧侶を呼ぶことが少なくない。もちろん、そこには信仰がかかわっているわけだから、他人がとやかく言う必要もないのかもしれない。

 だが、特定の檀那寺がなく、どこの寺の檀家(だんか)にもなっていないのであれば、仏教式を選択する必要はないはずだ。

 檀那寺があれば、その寺の住職に導師を依頼する。檀那寺がない場合には、葬儀社に紹介してもらって、見ず知らずの寺の住職に導師をつとめてもらう。たいがい、その住職から戒名を授けられるであろう。

 しかし、檀那寺の住職でないなら、導師として呼ぶ必要はないし、まして戒名を授かる必要はない。戒名を位牌(いはい)に記し、それを仏壇に祀るということはあるかもしれないが、檀那寺がなければ、年忌法要などやることもないはずだ。

 仏教式の葬式をしなくても、困ることはまったくない。葬式の歴史を遡れば、それが、寺院や僧侶の生活の維持のために作り上げられてきたものであることが明らかになる。

 私たちはもう、葬式仏教から完全に脱するべきところに来ている。