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長い間会社に尽くしてきたのに、評価されていない気がする……。そうした複雑な思いを抱え、仕事に対するモチベーションや職場での存在感を失っているミドル・シニア社員が増えている。彼らのモチベーション低下の背景にある、組織の課題とは?(清談社 真島加代)
朝早く出社し早めに退社する
職場の「妖精さん」たち
人手不足が加速する日本では、年齢や立場を問わず、誰もが重要な働き手となっている。そうしたなか、多くの企業が頭を悩ませているのが、仕事への意欲を失ってしまったミドル(40~50代)・シニア(60代以上)人材の活用だ。
かつて、仕事へのモチベーションが低いミドル・シニア人材は「働かないおじさん」と揶揄されてきた。それも近年では「妖精さん」と呼ぶ向きもあるという。
「妖精さんは、朝早くに出社して早めの夕方には帰ってしまい、職場ではあまり見かけない社員を指す言葉。朝日新聞特別取材班が執筆した記事で『妖精さん』と表現したのがはじまりです。頼まれた仕事だけを淡々と処理する『静かな退職者』とも違い、賃金に見合う成果があげられていないケースもあります」
そう話すのは、株式会社日本総合研究所・創発戦略センタースペシャリストの小島明子氏。
「当社が行った調査(*1)では、ミドル・シニア男性は新卒の頃に比べて出世や昇給などの『外的報酬』への欲求が低下していました。年齢とともに気力・体力が落ち、自分が到達できるポジションも見えてくる……。その“諦観”が調査結果にも表れています。一方で、仕事のやりがいといった『内的報酬』に対する意欲は高いまま。そんな彼らに、今の職場環境について尋ねると『仕事で自己実現できていない』と肩を落とす方も少なくありません」(同)
(*1)…株式会社日本総合研究所「東京圏で働く高学歴中高年男性の意識と生活実態に関するアンケート」(2019年)
若い頃のようなハードワークは難しいが、仕事を通じて成長したい、と考えるミドル・シニア層は多い。しかし、企業側は彼らに適した活躍の場を与えられず、ミスマッチが生じているのが実情だ。
「企業側が40~50代の社員に行う『キャリア研修』に不信感を募らせる方もいますね。研修を受けると、自分のこれまでのキャリアを否定されたような“裏切られた感覚”に陥ってしまうのです。また、シニア人材の場合は『役職定年』をきっかけに、大きなモチベーションダウンを経験する方が多くいます。とくに、現役時代に役職が高かった人ほど、報酬やポジションの変化を受け入れにくい傾向があるようです」(同)







