一時期、日中関係は、政治がぎくしゃくしても経済は良好であるという「政冷経熱」という言葉で表現された。最近は、日本企業(主に製造業)が中国から撤退するなど「中国離れ」の報道が増えつつあり、「政冷経冷」ではないかと見られている。しかし、回転すしブームのように必ずしも全部が全部、そうではない。

 現在の中国人は、「非日常」の消費を重視するようになった。それゆえ「モノ」だけでなく「コト」の消費、体験型の消費が盛んだ。その筆頭格が外食であり、ホンモノの日本料理を食べることなのだ。

小林製薬の紅麹問題と
福島原発の処理水問題は影響する?

 しかし、中国における日本ブランドに関して、気がかりな点もある。安心・安全に関することだ。

「参考消息ネット」は8月15日、「日本の健康・美容製品が中国市場で輝きを失っている」というタイトルの記事を掲載した。「今年上半期、小林製薬の中国の2大Eコマースプラットフォーム淘宝(タオバオ)と天猫(Tianmao Mall)でのオンライン売上高は、前年同期比で大幅に減少した」と指摘。その原因は、小林製薬の紅麹サプリメント事件と、福島第一原発の処理水(中国では汚染水と表現)の海洋放出が消費者の反発を引き起こした」とつづっている。

 今の中国人は、「食の安全」に対する興味関心が非常に高い。小林製薬の紅麹問題に端を発して、日本ブランドのサプリメントの売り上げが減少することはあり得るだろう。

 一方で、処理水のようなセンシティブな問題での「日本製品排斥」は、ゼロとは言えない.。が、グローバル化が進んだ現代社会で外国製品排斥は現実的ではなく、少数派ではないかと筆者は思う。