「報告してくれてありがとうね。橋本さんも焦ったでしょう」と、私の気持ちに共感してくれたのです。また「報告するにも勇気が必要だったよね」と、報告したことに対してもポジティブなリアクションをいただいたのです。
その次に、「社員やお客様からクレームになっていない?」「今回なんでこういうことが起きてしまったか、受付メンバーで確認できている?」といった質問をされました。
私は、「はい、お客様にも社員の方にもきちんと謝罪し、理由も説明し、ご理解いただきました。再度起きないように、具体的な改善案を話し合い、実行しています」とお伝えしました。
上司は「それなら心配いらないね。普段ミスをしない橋本さんがミスをするなんて、ちょっと疲れてるんじゃない!?」と労いの言葉までいただいたことは今でも忘れません。
ミスを繰り返すか
学びに変えられるか
「この職場では、悪い報告だったとしてもきちんと報告すれば、仕事が前に進む」と、実感したエピソードでした。ミスを責めることなく、どう改善していけばいいのかを一緒に考えてくれる。そんな信頼を獲得できれば、部下は悪いことであっても上司に積極的に報告しようとするはずです。
この出来事を経て、私はミスに対して冷静に対応できるようになりました。そして経営者になった今、「組織のミスは、伸びしろ」と捉えています。
一流の上司は、ミスを単なる失敗とは考えません。ミスは、仕組みや連携、判断のどこかに改善の余地があることを教えてくれるからです。
受付の現場でも、トラブル報告が遅れれば遅れるほど、対応は難しくなります。経営の立場でも、数字や現場の異変が遅れて届くほど、リスクは大きくなります。
ミスをなくすことはできません。
ミスは早く対処すればミスで終わりますが、対処が遅れれば、時に企業生命を脅かすリスクに変わり得るものです。
ミスを隠す組織と、ミスを学びに変えられる組織を分けるのは、上司の一言です。
だからこそ一流の上司は、ミスを聞いたときこそ、「自分の感情」ではなく「組織の未来」を優先するのだと思います。







