民泊を拡大させる流れが一転
各地で規制強化が相次ぐワケ

 観光立国政策で2018年に民泊新法が施行され、本格化した民泊ビジネス。届出をすればホテルや旅館の許可を取るより簡単に開業できることから、民泊事業者は急増。1月15日時点で、住宅宿泊事業の届出件数は5万9427件(うち事業廃止件数が2万1315件)に達している。

 しかし民泊をめぐっては、前述したようにトラブルも相次いでいる。そのため、国の規制(民泊新法、旅館業法、国家戦略特別区域法)に上乗せする形で独自の規制を設ける自治体が増えているのだ。

 例えば東京23区は、江戸川区も規制強化に乗り出すことで、23区全てで規制条例が制定される見通しとなった。

 筆者が訪問した大久保エリアを含む新宿区は、昨年11月に民泊新法に基づく一斉処分が行われた。改善命令を受けながらも必要な措置を講じなかった施設所在地と名称を公表し、営業停止処分を厳格化するようになったのだ。

 年が明けてからも違反施設を名指し公表し、処分する件数は増えている。そのため旅館業法の許可申請を行う物件も見られるようだ。

 民泊に対して主な自治体が独自に行う規制を次の表にまとめた。営業期間やエリアを制限する、ゴミ回収義務やトラブル対応の厳格化などが目立つ。

大阪万博で特区民泊制度
想定外“移住ツール化”

 中でも異質なのが大阪市だ。NHKニュースは「想定外“移住ツール化”」との小見出しで、下記のように報じている(一部を引用)。

《これまで想定していなかった理由で民泊が急増しているのが、国家戦略特区の指定を受け、民泊を推進してきた大阪市です。相次いだのは日本への移住が目的とみられる中国など海外事業者の参入です。新たに日本で事業を興すことで「経営・管理」の在留資格が得られたことも、民泊に注目が集まった理由のひとつとみられています。》

 つまり、日本の在留資格を得るべく、特区民泊制度を利用している事業者も中にはいるというのだ。確かにこれは想定外だろう。大阪市は特区民泊への住民からの苦情が絶えないこともあって、新規申請の受付を5月29日に終了することを決めた。