積水ハウスが「地面師」の被害に合い、購入代金をだまし取られた西五反田の旅館「海喜館」 Photo:SANKEI
2024年に話題になったNetflixのドラマ『地面師たち』のもとになった「積水ハウス事件」。事件を起こした地面師グループはすでに逮捕されているものの、騙し取られた55億5000万円の行方については、いまだに明らかになっていない。ノンフィクション作家が主犯格であり服役中のカミンスカス操と手紙のやりとりを重ね、事件の真実に迫った。※本稿は、ノンフィクション作家の森 功『地面師vs.地面師 詐欺師たちの騙し合い』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
積水ハウス事件で消えた
55億5000万円の行方
4兆円の年商を誇る国内トップの不動産デベロッパーが、地面師グループに手玉にとられた積水ハウス事件に残された数ある謎のなかでも、最大のそれは消えた金の行方に違いない。70億円の不動産取引のうち、被害額とされた55億5000万円はどこへ消えたのか。そこは捜査でも解明できていない。“主犯格”のカミンスカスは繰り返しこう語るのみだ。
〈私が受け取ったお金はイクタH(ホールディングス)からの紹介料の半金の1億円だけです〉(2024年4月25日消印書簡)
カミンスカスらは2017年4月24日、海喜館を積水ハウスに70億円で売る仮契約を結んだ。同社を買い手として見つけてきたイクタHDがあいだに入って売る手はずである。
資金の流れをいま一度整理すると、最終的に積水ハウスが地面師グループに支払ったのは63億円で、仮契約時の手付金などとして14億円、6月1日の本契約時に49億円をいずれも小切手で支払っている。他方、羽毛田正美(編集部注/積水ハウス事件でなりすまし役を務めた)は中野区にある積水ハウスのマンションを購入する契約も結んでいた。その購入額の7億5000万円は積水ハウスが預かっていたため、実際の被害額は差し引き55億5000万円となる。







