いまの管路更新ペースでは
耐用年数の4倍の時間が必要
図表2-25は水道管路更新率の推移である。水道管については橋りょうのような量のピラミッドグラフ(編集部注/建設年別のインフラ量を棒グラフで示したもの)は公表されていないことから、将来の更新投資時期を正確に予測することができない。
その代わり、管路更新率が参考になる。これは、ある年に水道管の更新が全体の管路延長の何%行われたかを示したものである。水道管の法定耐用年数は40年であり、更新投資が40年で一巡するための適正更新率は2.5%となる。2.5%を上回っていれば平準化投資をしていることになり問題はない。
同書より転載 拡大画像表示
しかし実際は、はるかに低い水準で、かつ、年々低下し続けており、公表されている最近年(2021年)では0.636%となっている。このペースで現在の全量を更新するには157年(100÷0.636%)かかる計算となる。水道管を多少長寿命化しても追いつかないぐらいの圧倒的な更新不足と言える。更新率は、更新投資予算不足の深刻度合いを可視化する良い指標である。
では、なぜこのような事態になってしまったのか、筆者は料金水準が低いことが原因であると考えている。
水道法では、能率的な経営のもとにおける適正な原価に照らし公正妥当なものであることとされているが、仮に適正な原価を計算しても、認可された料金がそれを下回っている、もしくは認可に時間がかかるとすると、料金収入は不足する。収入不足を補うために、当面は不要な費用としての維持管理費が削減され、結果的に資産の劣化を早めているのではないかと筆者は懸念している。







