開発は日産、製造は三菱、チューニングはそれぞれで
日産オートモーティブテクノロジー 車両実験部 第三車両実験部ループ シニアテクニカルレビュア 永井 暁さん(以下、永):デリカミニの四駆のショックアブソーバーのチューニング部分。開発というかチューニングですよね。そこは三菱さんがやっています。でもクルマ全体の品質の責任などは、すべて日産の開発が持っています。
F:まずいな。前の記事で散々「三菱と日産の共同開発」と書いちゃっているんだけど……。
伊:実際にそのように書かれるメディアさんは多いですよ。みなさん勘違いされているんです。ですが、厳密に言うと間違っています。ちょうどいい機会なので、この場を借りて訂正させていただきました(笑)。
F:うわー。ハジかいたな。今更記事を変えることもできないし……。
でもまあ今の段階で教えていただいて良かったです。日産の人から「あいつ分かってねぇなww」と笑われ続けるのはイヤだもん(笑)。
坂:企画の段階で三菱さん側から「今回のデリカミニはこうしたい」というのは相当強く言ってこられましたよ。
永:そうですね。大径タイヤを使って地上高を上げたいとか。インテリアをもっとデリカっぽくしたいとか。あとは外部のパネルですね。その辺りはかなり強く。
F:売れていますものね、デリカミニ。もちろん数で言えばルークスの方が圧倒的なんだろうけれども。しかし三菱に軽の開発部隊がないというのはどういうことだろう。トライトン等のトラック系が東南アジアで売れているからですかね?そっちに開発人員をシフトしているとか?
坂:他社さんのことはちょっと分かりませんけど……。
開発が日産なら、生産も日産でやろうという話にならなかった?
F:企画はNMKVで開発が日産、そして製造は三菱と。なんなら生産も日産でやっちゃおうという話にはならなかったのですか?そのほうが話が早いでしょう?
永:それはないですね。そもそも日産の工場には軽のように小さな車体を吊り下げるハンガーがありません。検査機器にしても、トレッドが合わないから入れられない。ウチの工場に、軽を造るためのラインを新たに引くとなると、大きな設備投資が必要になるので。
日産オートモーティブテクノロジー 車両実験部 第三車両実験部ループ シニアテクニカルレビュア 永井 暁さん Photo by A.T.
F:大は小を兼ねる、とはいきませんか?大きく重いクルマを吊るせるハンガーなら、軽なんて楽勝のような気がするのですが。
永:こと自動車の生産ラインに関して、そのことわざは当てはまりません。多少なら兼ねられるかもしれませんが、やっぱり軽は小さいんですよ。普通車と比べると圧倒的に小さい。
さらにいうと、サプライヤーさんの問題もある。軽は軽で特別なサプライヤーさんが多いんです。日産の工場の周りは普通車向けの会社ばかりです。そんな状況で、生産まで全部日産でやるんですか、と。もちろん頑張ればできなくはないでしょうが、過大なコストがかかって非効率ですよね。だったら軽を造るノウハウが豊富で、専用の生産ラインを持っていて、しかも工場の周辺には軽向けのサプライヤーさんがある三菱さんで造ってもらった方がぜんぜんいいよね、ということになるんです。
F:なるほど。軽と普通車の混流生産は難しいと。
伊:私が前にいた会社では混流をやっていましたが、そもそも造っていた普通車のサイズが小さいですからね。だからできたという部分もありますし。
F:なるほど。いろいろ腑に落ちました。いやとても面白い。
AD高橋:相変わらず変な所を面白がりますよね(笑)。







