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ソフトバンクグループを率いる孫正義氏が、史上最大の賭けに出た。ChatGPTを開発した米オープンAIに総額6兆円超の大型出資を実行しているのだ。AIが人間の知性を超える時代を、夢物語ではなく現実のものにするために孫氏は勝負をかけた。その裏には、米国のソフトウエアと日本のハードウエアの新結合も秘められていそうだ。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
孫正義が6兆円も投資する相手とは
ソフトバンクグループ(SBG)は2025年12月31日、米オープンAIへの225億ドル(1ドル=156円で約3兆5000億円)の追加出資が完了したと発表した。外部資金も含めて、オープンAIへのSBDの投資規模は400億ドル(約6兆2400億円)にも上る。
この超大型案件は、世界のAI関連企業への出資の中でも史上最大といわれている。SBGを率いる孫正義氏は、これまでも企業家の資質を見極め、他社に先駆けて出資してきた。孫氏は今回、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)に賭けたといえる。
オープンAIはChatGPTを公開してから2年ほどの間、「推論モデル」開発を加速させ先行者利得を得ることができた。ただし、25年1月の中国ディープシークショック、11月にグーグルが「ジェミニ3」を発表したことなど、ライバルの追い上げは熾烈化している。SBGによる巨額出資が実を結ぶか否か、今後の展開で不確実な点は少なくない。
そもそも、なぜ孫氏はそれほどまでにアルトマン氏に入れ込むのか。軸となる計画と2人をつなぐビジョン、実現したい世界観とは――実はアルトマン氏は、AIデバイス創出のため日本企業と連携する考えを持っているようだ。資本関係の強化は、米国のソフトウエアと日本のハードウエアの新結合も秘められていそうだ。
とはいえ課題も山積している。早速、オープンAIと協業する、オラクルの財務が悪化するなど懸念材料も浮上している。リスクが顕在化すると、SBGの経営にも大きな影響が及ぶことになる。巨額投資を成果につなげるために必要なことを、順を追って見ていこう。







