最近ドイツの企業では、社員に定期的に上司の査定を行わせる会社が増えている。上司について批判的なコメントを書いた社員が、後で上司から仕返しをされないように、査定は匿名で行われ、企業から独立したコンサルタント会社などが結果を集計して、人事部に報告する。
したがって、部下に長時間労働を強いるなどして、保護義務をおろそかにしている管理職は、人事部によってその事実を知られる。つまり、部下による査定の結果が悪くなるので、昇進が難しくなる。平社員の意見が、上司の昇進を左右できるのだ。
ある意味では、民主的なシステムである。日本でもこのようなシステムを採用している企業があると思うが、どんどん増やすべきだ。
ドイツ人は仕事よりも
家族の時間を大切にする
ドイツ人の労働時間が日本に比べて短いもう1つの理由は、彼らが家庭や個人の生活を重視しているからだ。連邦統計局によると、この国では2022年に12万9000組の夫婦が離婚した。
結婚生活が続く年数は、平均14.8年である。ドイツの離婚件数は年々減っているが、2023年には人口1000人当たりの離婚率は1.7だった。
これに対し日本で2022年に離婚したのは17万9096組で、人口1000人当たりの離婚率は1.47だった。つまりドイツの離婚率は、約16%高い。
ドイツでは共働きの家庭が多いので、離婚後も経済的に自立できる女性が多い。つまりドイツの勤め人は会社や役所で働いてばかりいて、家族をないがしろにしていると、離婚される危険が高い。
ドイツでは、友人の誕生日パーティーなどに招かれた時に、カップルで出席するのが基本だ。夜に外食したり、映画を見に行ったり、音楽を聞きに行ったりすることも、欧州の人々の生活には欠かすことができない。
夫が会社で毎日残業しているために、妻がそうした場に1人で行かなくてはならないケースが増えた場合、疎外感は急速に強まる。
毎日午後9時ごろまで会社で働いていたり、頻繁に出張したりするサラリーマンは、配偶者から愛想をつかされて三下り半を突き付けられることを、覚悟しなくてはならない。逆に妻が華々しく出世して、夫や子どもたちの面倒を見られないケースも、同様だ。







