子どもの勉強を見るのも
親の重要な仕事
また、ドイツでは、日本とは異なり、子どもを塾や予備校に行かせる親はほとんどいない。極端に成績が悪い子どものための特別な補習教室を除くと、日本のような塾や予備校はない。
このため、子どもの成績が芳しくない場合には、親が早めに帰宅して子どもに勉強を教えたり、宿題の指導をしたりする。ドイツの教育制度では10歳の時の成績で、大学などで高等教育を受けるか、それ以外の道へ進むかが決まってしまう。
ドイツ社会で比較的高い給料をもらったり、企業で管理職になったりするのは、やはり大学などで高等教育を受けた人々である。大手企業の取締役になる人の中には、ドクトル(博士)の肩書を持つ人が多い。大学に進学するには、11歳になってからギムナジウム(中等教育機関)で学ばなければならない。
だが10歳の時の成績が悪くて、ギムナジウムに進めないと、高等教育を受けるための道は絶たれてしまう。敗者復活の可能性は極めて少ない。たとえば、勉強が苦手な10歳の息子を持つあるドイツ人会社員は、毎日朝7時に出社して午後3時に退社し、必死で子どもの勉強を見ていた。
つまり塾や予備校がないドイツでは、両親が文字通り「家庭教師」である。親が毎日遅くまで会社や役所で残業していたら、子どもの勉強を見る時間はなく、成績は悪化する。大学へ進む道も閉ざされることになる。
欧州に駐在しているのに
子どもに塾通いを強いる日本人の親
ちなみに、日本企業から派遣された駐在員が多いデュッセルドルフやミュンヘンには、日本人の児童・生徒向けの塾や予備校がある。子どもたちがドイツに住んでいても、日本での大学受験のための準備が遅れないようにするためだ。
これらの予備校では、日本と同時に模擬試験が行われることもある。パリには塾や予備校がない。このため、デュッセルドルフの予備校で日本と同時に模擬試験が行われる時には、子どもを飛行機でパリからデュッセルドルフに送る日本人駐在員もいる。







