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労災申請、認定いずれも過去最多
日本特有の職場での人間関係や社会観
2025年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれたのは、就任して間もない高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」発言だった。選出理由では「気合の入った物言いに、働き方改革推進に取り組む経済界はド肝を抜かれた」とされた。
高市首相の受賞には賛否両論が渦巻いたが、最近でも、既婚男性職員との「ラブホ執務」問題で辞職、出直し選挙で再選された小川晶市長からも、「働いて働いて(選挙)結果にお返ししたい」と、“働いて発言”が飛び出した。
「働き方改革」が叫ばれているにもかかわらず、過労死・過労自殺は近年増加が続いている。厚生労働省によれば、24年度の過労死を含む労災の申請数は4810件、認定数は1304件で、いずれも過去最多だ。
私が思い出すのは、00年に在任中の小渕恵三首相が脳梗塞で亡くなったことだ。あれは間違いなく過労死だった。
海外で国のトップが働きすぎて過労死したという話は聞かない。海外だったら、日頃から健康管理に気をつけてちゃんと休みを取る。例えば、ニュージーランドの首相だったジャシンダ・アーダーンさんは、在任中の18年に出産し6週間の産休を取ったそうだ。日本ではおよそ考えられない。
日本は、首相からサラリーマンまで、正真正銘の「過労死大国」といっていい。このことは驚愕すべき事実なのだが、なぜか日本ではそれほど深刻に受け取られていない。
欧米でも一部エリートはよく働くが、大多数の労働者は定時になればさっさと家に帰り家族や友人と過ごす。欧米では生きるために働くのであって、働きすぎて死ぬなどということは、まさに驚天動地の世界の話なのだ。
なぜ、日本で過労死はなくならないのか?背景には、日本特有の社会観や職場での対人関係がある。







