この話し方の構造を、私は「逆ピラミッド構造」と呼んでいます。情報を以下の3つの階層に分け、必ず上から順に話すのです。
第2階層(部分):その話の主要なポイントは?(柱、理由)
第3階層(詳細):具体的な中身は?(事例、データ)
教育心理学では、詳細な情報を与える前に、包括的な枠組みを先に与えることで、理解と記憶が促進されるという考え方があります。
聞き手の脳を「整理棚」だと想像してください。説明が下手な人は、相手の脳の床に、書類(情報)をバラバラと撒き散らします。
一方、説明がうまい人は、まず「今日は『○○』という棚を作ります」と宣言し、引き出しを用意してから、そこに書類を一枚ずつ丁寧にしまっていくのです。
「本日は、新しい顧客管理システムについてお話しします(第1階層)。ポイントは大きく三つ。使用目的、機能、スケジュールです(第2階層)。まず目的についてですが……(第3階層)」
この「全体→部分→詳細」の流れを守るだけで、あなたの説明は劇的にわかりやすくなります。
「完成予想図」を見せるだけで、人は安心して聞いてくれる
「抽象的な話ばかりで、中身がない」と言われるのを恐れて、つい詳細から話してしまう人がいます。
しかし、恐れる必要はありません。最初に「大枠」を示すことは、中身がないのではなく、相手に対する最高の「誠意」なのです。
今日からの会話で、話し始める前に一瞬だけ立ち止まり、こう自問してみてください。
犬塚壮志 著 『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』(サンマーク出版)
「今から話すことの完成予想図はなんだろう?」
そして、第一声でその完成図を見せてあげてください。
「今日は、来期の予算について相談があります」
「結論から言うと、A案で行くべきだと考えています」
説明とは、あなたの頭の中にある複雑な世界を、相手の頭の中に再構築する知的な共同作業です。その作業をスムーズに進めるために、まず「これからこんな家を建てますよ」という設計図(全体像)を、相手と共有することから始めてみてください。
そのたった一言があるだけで、相手は安心してあなたの話に耳を傾け、迷うことなくゴールまで一緒に歩んでくれるはずです。







