現代は既存のビジネススキルがにわかに陳腐化し、すぐに新たなスキル習得を求められる大激変期です。学び直しがブームとなる中、独学する力はもはや必須スキルになったといえます。特集『仕事に効く!独学バイブル』では『知的戦闘力を高める 独学の技法』と『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』という2冊の独学本を紹介します。#4はビジネスの「説明力」を爆上げする小論文の独学技法です。仕事にも効く!独学するビジネスパーソンにとってのバイブルになること請け合いです。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)
ビジネスに直結する
小論文のトレーニング
私がダイヤモンド社に中途入社したのは2008年のこと。採用試験はなかなかに厄介でした。特に1次試験。性格診断のようなテストを手始めに、SPIを難解にした知能テストのようなもの、さらに最近印象に残った書籍を3冊挙げてそれぞれ論評せよという課題、最後に、経済ニュースのキーワードをいくつも織り交ぜて執筆する小論文という4段構えでした。
新聞記者として事件取材に明け暮れ、“筋肉化”してしまった私の脳は試験が終わる頃にはもうヘロヘロ。今やったら落ちる自信があります。
あれから十数年。採用される側から採用する側に転じた今、個人的に重視しているのが、1次試験の最後に受けた小論文です。というのも、この小論文で高評価を得た記者は文章が達者なのはもちろん、物事をロジカルに説明する能力が高い傾向にあるからです。
その意味で小論文はビジネスに直結すると言えるでしょう。『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の著者で、マッキンゼーなどで活躍した侍留啓介氏は、ビジネスパーソンが小論文を学ぶべき理由について、「自らの主張を、説得力を持って相手に伝えるトレーニングとして効果的」と強調しています。
「ビジネスでは『こいつは賢い』『信頼できる』と思われることがとても大事で、そのためには『知識量と論理力』の両輪が必要。小論文とは、まさに『知識量と論理力』をフル活用し、自らの主張を明確に相手に伝えるトレーニングです。これほどビジネスに直結する学びはないといっても過言ではありません」と侍留氏。
小論文では、与えられたテーマの中でいかにして独自の視点を盛り込みつつ、説得力のある論を展開させていけるかが問われます。
では、どのようにして「自分なりの視点」「オリジナリティーのあるアプローチ」を見つけ出していくのか。侍留氏によれば、ここで大いに役立つのが「『そもそも』の視点」だそうです。
『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の本文では、「『そもそも』の視点」の磨き方などを詳しく解説しています。体得できれば、ビジネスに直結する「説明力」を爆上げすることができるはずです。
『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の第3章はこちら