会社としてどう対処したらいい?

「Aさんの件ですが、会社としてはどのように対処すればいいですか?」

「まず、最初にすることは事実確認です。Aさんの他、Bさんから物品を購入したり、断って無視されている女性社員からも事情を聴取します。皆の意見がまとまったところで、Bさんに事実確認を行います。事実を認めた場合は、下記の内容で話を進めます」

<Bに対処するときの注意点>
○社員の信条や価値観そのものは尊重されるべきであり、会員であることや商品への好みなどを理由に処分や注意することは避ける。

○注意するのは「職場での勧誘や販売は、業務に支障をきたし職場秩序を乱す行為である」「購入を断れないような雰囲気にしたり、購入を断った社員に対する態度はパワーハラスメントに該当し得る」ということである。

○就業規則上、懲戒処分の対象になる場合でも、対応としては原則厳重注意にとどめる。ただし、それにもかかわらず改善が見られない場合は、懲戒処分の可能性があることを前もって説明する。そのことで行為の抑止効果につながる。

再発防止策と就業規則の整備

「次、再発防止のために、次の対処を行います」

<再発防止策への取り組み例>
(1)就業規則の明記内容を確認する
ア) 職場での物品販売や勧誘行為は、多くの企業で「職場秩序を乱す行為」として禁止されており、就業規則に服務規定として明記されているか確認する。企業によっては就業規則とは別に服務規程を設ける場合もある。さらに、就業規則の懲戒規定において、上記の行為が懲戒処分の事由に含まれている場合、たとえ本人に悪意がなくても就業規則違反による懲戒処分の対象になり得る。

イ) アの内容について、就業規則への明記がない場合、職場秩序を乱したことに対する厳重注意は可能でも懲戒処分は不可とされるので注意したい。

(2)服務に関する定めを全社員に周知する
 社員間のトラブル防止の観点から、研修などで全社員に周知する。特に、新入社員研修の段階で行うのが望ましい。

(3)相談窓口の設置
 職場内のトラブルについて、直属の上司に相談しにくい内容などを話せる相談窓口を設置し、周知する。(甲社の場合、すでにD部長が担当していると思われる)

 E社労士から助言を受けた翌日、D部長はCらBから物品を購入、もしくは無視された社員たちに事実確認を行ったところ、Aの訴えた内容は事実だとわかった。