投資家からの強い圧力でファンドに助けを求め
結果として資産を持っていかれてしまう
――アクティビストから狙われた物流会社がMBOによって株式を非公開化する事例が増えています。
鎌田 アクティビストに株式を買い占められた会社は、経営権を奪われるのを避けるためにMBOで株式の非公開化に動きます。しかし、オーナーの株式保有比率が低い場合は、ファンドに協力を仰ぐことになります。
そうするとファンドは例えば、エクイティ(自己資金)が1割くらいで、残りの9割を金融機関からのデット(借入金)で会社を買います。その後、会社の土地などの資産を売って借金を返済し、自分たちのエクイティを増やしていき、IRR(内部収益率)を30%くらいの高い率で回していきます。つまり、ファンドは少ない自己資金で大きな利益を得るという、ある意味でむちゃくちゃなビジネスをやっているわけです。
そうしたことを物流会社の経営者が分かっておらず、投資家からの強い圧力を恐れるあまりファンドに助けを求め、その結果として資産を持っていかれてしまう。仮に再上場しても、資産を抜かれた状態で、また投資家からのプレッシャーを受ける元の状態に戻ってしまうだけです。そうしたことがいま、物流業界のあちこちで起きています。
不動産を売却してキャッシュ化することで
黒字反転の力があればファンドは狙ってこない
――そうすると、オーナーが株を大量に保有していることが大事になってきますね。
鎌田 だから私は持株比率にこだわっているわけです。現在、49.9%を保有しているので狙われることはありません。拒否権を行使できる株式比率を持っていればアクティビストが狙うことはないでしょう。
結局のところ、経営者の多くが資本政策を理解しておらず、資本市場としっかり向き合っていないことが問題です。いたずらに増資に頼って株をばらけさせてしまい、それをアクティビストに買われて揺さぶりをかけられるような事態が起きています。
また、不動産を売却してキャッシュ化することで、いったんは赤字になっても黒字に反転させる力があればファンドは狙ってきません。不動産を売却すれば家賃を払わなければならないために業績は一時的に悪化しますが、それを元に戻していく経営力こそが必要です。SBSグループは不動産を必ず売却し、それをリースバックして家賃を払いながら黒字を出す経営を長年にわたって続けています。







