人間は「自分は良い人だ」と
思いたくてたまらない
自己評価に私たちがとらわれ、それを気にするのは、自分を良い人だと思いたいという欲求があるからです。この欲求は、自己高揚動機とよばれます。
心理学においては、自分自身を大切にする気持ちや、自分に対して抱くポジティブな感情である「自尊感情」(自尊心ともよばれます)を維持したり高めようとしたりする動機として扱われ、学業、仕事、対人関係、社会生活一般に関する影響が議論されています。
自尊感情は、日常の成功や失敗体験で上下するのですが、基本的なレベルについての個人差もあります。
自尊感情の高低を測定する尺度も作られており、よく用いられる尺度の1つに「ローゼンバーグの尺度」がありますので、参考までに示しておきます(表1)。
研究で用いるときには、「あてはまる=5」、「ややあてはまる=4」、「どちらともいえない=3」、「ややあてはまらない=2」、「あてはまらない=1」として得点化されます。星印のついている項目は、逆転項目ですので、「あてはまる=1」というように、点数を逆転させて計算します。
「何点以上なら良い」というものではなく、自尊感情とよばれるものの実情を知ること、また、自身のあり方を評価する参考として用いてください。
さて、自己高揚動機は、人間の持つ基本的な社会的動機のひとつとして、私たちの日常に影響しています。
自己を肯定する気持ちが高まること自体は、ストレスや不安を軽減する効果がありますし、自分を良い人だと見せる行動は、うまくいけば、他者からの信頼や好意の獲得、親密で協力的な関係を形成することにつながります。
職場でも、自分の能力や業績をアピールしてポジティブな印象を与えることが、自分の影響力の向上や昇進という結果につながるかもしれません。








