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適切な気遣いではなく、「いい人と思われたい」自己満足のために他者に干渉してしまう人には、ある共通点がある。自分の行動を振り返るためのチェックリストと、自己中心的な行動を制御するための方法を、「対人認知」が専門の社会心理学者が紹介する。※本稿は、社会心理学者の唐沢かおり『「気が利く」とはどういうことか――対人関係の心理学』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
「配慮ができる私」という
自己認知が生む不適切な配慮
配慮は一般に、望ましいことだと考えられているので、それをおこなうなかで、「社会の中で適切に振る舞える自分」というものに意識が向き、ポジティブな自己評価が生まれるのは、自然なことです。
しかし、「配慮ができる私」という自己認知にとらわれ、勝手な思い込みに基づく他者への干渉をすると、適切な配慮につながりません。
困った立場にいる他者に同情や役立つことをしたいという気持ちを持つのは、大切ではありますが、そのような感情や欲求の充足を優先させることなく、「自分自身にとらわれる自分」を制御することが求められます。
では、自分自身、すなわち「自己」にとらわれる心の働きとは、どのようなものなのでしょうか。自己に対する認識という観点から、考えてみましょう。
自己に関する心を内省したときにまず気づくのは、自己を客体として意識する心の存在です。私たちは、自分が他の何者でもない自分であり、「外の目」から見た自分もまた自分であることを理解しています。
このような自分の存在への認識の獲得、すなわち自己意識の獲得は、発達心理学の研究によると、だいたい、18ヵ月から24ヵ月の子供に認められると考えられています。







