育児は「点」ではなく「線」~育休パパに求められる本当の役割

 育児は点ではなく線だ。一回オムツを替えたから育児をしている、お風呂に入れたから育児をしているなんて、育児をしているとはいえない。ミルクの前にオムツ替え、ミルクの後もオムツ替え、その後は寝かしつけて寝ている間に哺乳瓶を洗う、といった「流れ」を常に考えて行動するのが育児だ。

 子どもが産まれる前に家事や育児を一通りできるようになっていないと、育休を取得しても意味がない。家事は一人暮らし経験があればできる人が多いが、育児は夫も妻も初めてだろう。妻が妊娠中に行政が主催していることの多い両親学級に参加したり、育児書を読んだりしてもらいたい。

 最近はSNSや動画サイトでも簡単に情報が手に入る。個人的には妊娠中に見た、YouTubeやインスタなどの「生後○カ月の赤ちゃんの1日」といった動画が一番育児の解像度が上がってわかりやすかった。

育休給付金はすぐ入らない 9月申請で入金は翌2月

 男性育休は法律で決められている権利なので、現役世代にとっては当たり前になっているのかと思いきや、友人たちに聞いたところ、「うちは地方の中小企業だから男性は育休を取れない」「取れても3日だから取らなかった」という声がかえってきた。

 また先日、働き方評論家の常見陽平さんと話したところ、「うちは男性育休取得を推進しています!」と言っている会社でも、ふたを開けてみると取得期間が1週間以下だったり、部署によっては取れない部署もあったりするのだと話してくれた。

 私は夫が育休を取得したことでとても助かったし、感謝している。しかし、今一番大きな課題は給付金がいつ入るのか明確になっていないことだ。8月末に出産したので会社側には9月に申請したが、会社側がハローワークに手続きをしたのが12月。そこからハローワークで審査があり、問題がなければ2~3カ月で入金される。多くの企業は毎月ハローワークに育休の手続きをしているわけではなく、2カ月に1度だそうだ。

 そのため、なかなか給付金が入らず、「今日こそは、今日こそは」と毎日のように通帳をチェックし、ようやく入ったのは2月半ばだった。4カ月も無給の状態で、私の貯金と、育児の合間のわずかな時間で書いた原稿料でやりくりし、最終的には親にお金を借りた。入金までこんなに時間がかかると、相当な貯金がないと育休の給付金だけで生活するのは厳しい。それに、ミルク代やオムツ代に月どのくらいかかるのかは、育児が始まってみないとわからない。

 このあたりの制度の問題は、男性育休の取得期間が長期化するにつれて顕在化してくる課題だろうから、もっと広まって国に改善してもらいたいと思う。

 産後の苦労は一生忘れない――そう語る女性は多い。産後、大変なときに夫が何もしてくれなかったとして離婚を選んだ女性も少なくない。育児をすることについて社会全体がもっと想像力を働かせて、男女が協力して子どもを育てやすい世の中になることを願う。

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