2026年3月2日、爆発が報告されたイランのテヘラン Photo:Contributor/gettyimages
中東以外にも広がる
反イスラエル・反米テロリスク
2月28日、米国とイスラエルが敢行した電撃的な共同軍事作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」は、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の死亡という衝撃的な結末を招き、中東情勢は緊迫の度合いを深めている。トランプ大統領が「テロの元凶が排除された」と勝利を宣言してから今日に至るまで、事態は沈静化するどころか、報復の応酬と戦域の拡大というシナリオを辿っている。
軍事作戦の開始直後、イスラエル軍は「40秒で最も重要な40人を殺害した」と自賛するほど精緻(せいち)なピンポイント空爆を行い、テヘランの政治・軍事中枢を事実上の麻痺状態に追い込んだ。
イラン側は当初、この大混乱に戸惑いを見せたものの、3月1日にハメネイ師の「殉教」を公式に認めると、即座に猛烈な反撃へと転じた。イランの精鋭部隊である革命防衛隊は、自国領内からイスラエル全土および周辺の米軍基地に向けて数百発の弾道ミサイルとドローンを射出。イスラエルは全国に特別非常事態を宣言し、鉄壁の防空網で応戦しているが、一部の着弾により民間人に死傷者が出ている。
また、この攻防の火の粉は、紛争の当事者ではないはずの湾岸諸国にまで降り注いでいる。イランは3月2日から3日にかけて、ドバイやアブダビの主要施設を標的に攻撃を仕掛けた。世界有数のハブ空港であるドバイ国際空港や、観光の象徴であるブルジュ・アル・アラブ付近にミサイルやドローンの破片が落下し、民間人の犠牲者が確認される事態となっている。
これを受け、UAEは空域を閉鎖し、エミレーツ航空などの主要便が運航停止に追い込まれるなど、物理的な被害のみならず、物流・経済の動脈が切断される事態となった。サウジアラビアもリヤドの米国大使館付近がドローン攻撃の標的になるなど、影響は中東全体に広がっているが、今後さらに事態がエスカレートする恐れがある。







